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悲しく痛みの共有 (1/4)


結局、部活は中止になって璃亜とマンションが一緒という事で全員が俺ん家に来る事になった。

ちなみに雨音と佐々木もだ。


そして皆がお互いに知らなかった事を話した。まぁ、俺や幸村、参謀は大体の事は知ってたから説明してた側じゃが。



「楠木先輩、なんでなにも言ってくんないんスかね…」

「なんでもかんでも一人で背負い込んで…バカじゃねぇの」

「お前等の気持ちもわかるけど…楠木の気持ちも考えてやれよ」

「今回ばかりは切原くんと丸井くんに同意するわ。あんな痣だらけになって…璃亜があんなになるなら守って欲しくなかった…!」

「…早苗、楠木の気持ちもわかってやってくれ」



相変わらず、やりきれないといった顔をして璃亜が黙ってた事に苛立っている赤也とブンちゃん。

そして未だに泣いている羽川。

真田や柳生、ジャッカルも深刻な顔をして黙っている。



「でも気付けなかった俺等のせいでもあるよね。璃亜は、多分SOSのサイン出してたよ。タイツ履いたりカイロ持ったり」

「康…でもあんなの普通じゃ気付かないだろ」

「…タイミングが悪かったぜよ。病気を受け入れて前向きに色々と璃亜なりに考えての事かと思っとった」

「前ならすぐに気付いたわよ…だってタイツなんて履いた事なかったもの。でも…あんな笑顔であたしなりの寒さ対策だよって言われたら…」



あやつは、思いの外人を欺くのが上手いようじゃな。嘘は下手くそなくせに、そういうところが璃亜の侮れんところじゃ。

無理してるのに自然にそれを見せてしまう。ただの強がりなだけじゃない分、気が付くのが遅れた。

羽川は、気付いてあげられなかったのが悔しいのかまた泣き出す始末じゃ。



「あの方々のお話によると今週の頭から毎日呼び出しをして暴力を奮ったの事です。他にも、カッターや鋏でも暴力もあった様です…」

「なに、それ…なんで璃亜ばっかりっ…」

「そんな事されてずっと黙ってるとか楠木先輩、なに考えてんスかっ…」

「切り傷は、主に腹部が中心じゃった…深くもなく浅くもない傷じゃったが…」

「くっ…やっぱりあいつ等にも同じ目に遭わせなきゃ気がすまねぇよい!」



ガタンッとブンちゃんが立ち上がる。それに続くように赤也も立ち上がるが誰も止めなかった。

それは、ブンちゃんと赤也が泣いていたからだ。自分達の不甲斐なさでまた璃亜を傷付けてしまった事による自己嫌悪と璃亜への罪悪感でいっぱいなんだろう。

しかしそれは、ここにいる全員が思っとる事じゃった。

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