現実はきっと歪んでいる (1/5)
璃亜が学校を休んで2日目。さすがに羽川辺りが本気で心配しだしてちょっと焦ったが昨日の様子を伝えると安堵の表情を浮かべた。
ブンちゃんや赤也がかなり電話をしていたが璃亜に一方的に切られるらしく騒いどる。
そして俺と幸村は、参謀が集めたファンクラブのメンバーの情報に目を通しながら(※メール)そんな様子を見ていた。
人数は6人。
その内の4人が璃亜を体育館倉庫で襲うように男に指示を出していた奴だとわかり、自然と眉間にシワが寄る。
とりあえず、放課後に呼び出す手筈はしておくが…基本的にこの6人はいつも俺等の部活を見に来ているらしいので休憩時間にでも堂々と他のファンクラブの連中の前で言うのがいいじゃろうという結論に至った。
羽川にバレない様にある程度は、濁す予定じゃが…まぁバレるじゃろうな。
でも参謀曰く、早苗に隠し事をしているのは辛い。と言っとったし…仕方ないかのう。後で璃亜に怒られるのは、どうせ俺だけじゃろうが…
「仁王、雨音に連絡を頼む」
「あぁ、任せんしゃい」
「一応、保険を掛けておくに限る」
「昨日も大人しくしとったし…まぁ、大丈夫だとは思うがのう」
「うん、今も赤也達と電話で騒いでるみたいだしね。思ったより元気そうでよかったよ」
様子を見に行きたいと幸村は、言っていたんじゃが…璃亜の気持ちを汲んで行かないようにしとる。
痣だらけな璃亜を見るのも辛いし、なにより俺達がいたら無理をするだろうから…と悲しそうに笑っとった。
それを言ったら俺の前でもそうなんじゃがな。まぁ、マンション同じじゃからって言うのもあるから仕方ないが…
「おいー!また切られたし!あいつなんなんだよ、なんで急に切るんだよい」
「あ、通話拒否されたッス!」
「お前等がしつこいからだろ…。体調悪いんだから休ませてやれよ」
「全く…そうですよ。いくら楠木さんが心配だからと言ってそんなに何度も電話をしたら迷惑です」
「柳生の言う通りだ!楠木にこれ以上負担を掛けるようなら俺の拳が唸る事になるぞ」
「「……………」」
「ふふふっ…璃亜がいたらマジ紳士ー!とか言って喜びそうね」
どうやら、紳士2人組と保護者(※璃亜談)に問題児が璃亜を構い過ぎだと怒られとる様じゃ。
それを見て羽川がクスクスと笑いながら、電話じゃなくてメールにしたら?とブンちゃんと赤也に言っとった。
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