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手の届くところにいて (1/4)


部活が終わったらしく雨音から電話が来て、簡単に説明しているとインターフォンが鳴り玄関に向かう。

俺が電話中なのがわかると軽くアイコンタクトで入っていい?と訴えられてコクりと頷くと部屋に入ってくる。

そしてそのままキッチンに向かいコーヒーを作り、雨音との通話を終えて2人の元へ行く。



「わざわざ悪いのぅ」

「仁王が自ら家に呼ぶなんて今までなかったからな」

「それで?何があったの?」

「璃亜が羽川をダシにファンクラブの奴等に脅されとった」

「……どういう事?」



とりあえず、最初は雨音が俺のところへ璃亜の様子がおかしいと話をされたところから詳しく話した。

ちなみに璃亜は、自宅に帰した。と言うか、璃亜のカバンから鍵を拝借して俺が璃亜を運んだんじゃが。それでそのまま鍵を拝借して施錠をしておいた。

まぁ、起きたら連絡する様にメモに書いておいたから大丈夫じゃろ。


そして幸村と参謀に話をし終わり、コーヒーに口をつける。



「…なるほど。それで璃亜は?」

「璃亜の部屋に運んだぜよ。様子見に行くなら鍵はあるが」

「いや、やめておくよ。ただ様子は、どんな感じなんだ?」

「肉体的にも精神的にもかなり追い詰められとる感じじゃな。最近、よく寝とるし」

「…うむ。早苗が言っていたが最近はカイロを持ち始めたと言っていた」

「これじゃあ、検査の結果が出る前に入院する事になりそうだね」



カイロまで持ち始めるって事は、かなり状況はよくなさそうじゃな。羽川には、上手く寒くないけど冷えない様に持ってるとかなんとか言ったんじゃろうな。

いつもなに考えてるのかわからん分、不審な動きをしてるのかふざけてるのかがよくわからんせいで気付くのが遅れた。

もし雨音が気付かなかったらどうなってたんじゃろうか。



「それで仁王は、璃亜を2日間休ませてでどうするつもり?」

「その間にどうにかするぜよ。そんで羽川の事は、参謀に任せたいんじゃが」

「…うむ。早苗は、俺が責任を持って守ろう」

「もしなら、マネージャーの手伝いで放課後は俺等といれば問題ないだろ。帰りは、送ればいいし」



璃亜が学校に行かなければ手を出される事はない。だけど、璃亜が学校に来ないとなると羽川に危害を加える。

しかし事情を話せない羽川に学校を休めとは言えない。

だから羽川は、俺等で守るしかない。まぁ、参謀がいれば万が一はないと思うが。

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