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心と裏腹な態度 (1/4)


璃亜の泣いてる顔を見るのは、これで二度目じゃ。

丁度ウザい女を相手し終わって一人でボーッとしてサボろうと屋上に来たら微かに聞こえる嗚咽。

ここに来るやつは、限られてるからすぐにそれが璃亜だとわかった。

本当にタイミングが良いのか悪いのか…わからんのぅ。多分、璃亜は一人で泣きたかったんじゃろうけど。


そして顔を上げた璃亜は"入院したくない"と辛そうに言うとボロボロと涙を流した。


璃亜の側に置いてあるノートに視線を落とす。これは、俺も参謀に読ませてもらった。

璃亜の病気が思いの外重い物だと言う事と進行が進んでいると言うことに驚いたのを覚えとる。


確かに、検査をする事になれば入院も必要になるじゃろうし。結果がどうであれ長期入院になるのは、目に見えてわかる。

じゃが…

目の前で嗚咽を漏らしながら涙を流している璃亜は、入院したくないと言った。

理由は、多分羽川だろう。



「入院したくなかったらしなくてもよか。お前さんの好きにしんしゃい」

「……しなきゃ、良くならない。治らないっ…」

「病気の進行はお前さんの精神状態にも関係あるって書いてあったじゃろ」

「……そんなんっ…関係ないっ…!…検査っ…しない、と。でも…こわっ…」

「おん、わかっとるから…とりあえず落ち着きんしゃい」



多分、混乱してるんじゃろう。

自分の病気を受け入れると言ったものの自分が思っている以上に悪化している病気。

治したいと思ってるのに病院に行くのが怖い。これ以上、酷い状況になっているであろう結果が待っている。

でも頑張ると言った矢先、弱音を吐けず。ずっと一緒にいた羽川や背中を押してくれた幸村、ブンちゃんや佐々木達にこれ以上迷惑を掛けたくないと葛藤していたんじゃろう。


それにしてもどうしたもんかのぅ。


とりあえず、出来る限り優しく頭を撫でてはいるもののこれと言って璃亜は落ち着く様子はなくボロボロと泣いている。

こういう事をするのは、あんまり好きじゃないんじゃが…

まぁ、例の事件の時にも似たような事をしたし今更じゃな。



「…大丈夫じゃ。落ち着きんしゃい」

「……ふっ…うっ…」



なるべく刺激しないように璃亜を優しく抱き締めると若干、嫌がる素振りを見せたがすぐに大人しくなった。

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