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242*特別な人(1/4)



この合宿に参加してから、何度か璃亜さんと話す機会はあったが…最近は、顔を合わせても挨拶くらいでゆっくりと話せていなかった。まぁ、それでも毎日連絡はする様にはしていたが…やはり、こうして面と向かって話す方が全然いい。

正直、他の連中の様に何も考えずに璃亜さんに声を掛けたいと何度も思ったが…羽川さんから少し璃亜さんの様子がおかしい事を聞いていたのもあり、ある程度の距離を保っていた。

それは、たまたま一緒にいた財前も同じで…何も知らずなのか、知っても尚抑えられないのか璃亜さんに絡む連中にイライラすると言いながらも璃亜さんに必要以上に声を掛ける事を控えていた。

まぁ、今回は…羽川さんから聞いていた話込みでも余りにも璃亜さんの様子がおかしかったからこうして呼び出してしまった訳だが…既に解決済みと。

だが、

「他には、何もなかったんですか?」

「ほ、他に? ていうか、近いんだな! わかちゃんの顔が近いんだなー!!」

「そうですね、それで?」

「熱いスルー! えっ、いや…な、なんかあったかな、えー…?」

「まぁ、ないならないでいいんですけど。ただ、璃亜さんはすぐに変な事で悩んで、無駄に考え込んで最終的に自分が悪いみたいな考えになるので」

「…えー? あっ、1つあったかも。でもそれは早苗に話して、気にしない様にしてるんだけどさ」



やはり、気にしていないと言い切らない辺り…まだ気にしているらしい。まぁ、内容は羽川さんから軽く話を聞いているのである程度は知ってはいるんだが…ここは知らないフリをする。

そもそも、璃亜さんが気にする様な事ではないからな。俺等が璃亜さんを振り回してると言っても過言ではない。まぁ、こちらも璃亜さんに振り回されてはいるが…嫌なら関わるのをやめればいい話だからな。



「…なんか色んな人と仲良くするって難しいなーみたいな! でも早苗が気にするなーって言われたから気にしない様にしてる感じ?」

「詳しくはわからないですけど…関わる人間が増えれば増える程、問題も増えますし悩みは増えると思います。でもそれは誰が悪いとかじゃないと思いますし、そもそも璃亜さんが1人で悩む事ではないです」

「そ、そうなのかなぁ?」

「もちろん、璃亜さんが悪気があって何かをしたとかならまた違いますけど、違うんでしょう?」

「う、うぅん…。わかちゃんはさ、わたしと全然話せたくてムカついたりとかイライラする? 他の人とは話してるのにー とか思ったりする?」



実に璃亜さんらしくない直球な物言いに少し驚いたが、それだけ気にしている証拠だろう。前までの璃亜さんなら、もう少し言葉を濁したりわかりにくい例えを出していたはずだからな。

それにしても、最近は本当に素直に話してくれる様になった気がする。まぁ、他の連中にも話しているとは思うが…それでも前よりも頼りにされている様で嬉しい。

だがまぁ、他の連中よりかはそれなりに俺を頼ってくれてはいるが…。


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