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236*カオスなチーム(1/4)


…つ、疲れたっぴ。
精市に散々遊ばれた挙げ句、夕飯は夕飯で補習だった赤也に泣き付かれるしで大変だったぜ。

尚、精市は終始ご機嫌でした。
くぬぅっ…わたしで遊びやがって! だけど、なんか最後に "今日は本当に癒されたよ" とかトチ狂った事を言っていたので、実は精市が色々と疲れていてわたしのところに来たのかもしれない。

となると、少しでも役に立てたならよかったのかもしれない。 …いや、わたしはとても辛かったですけどね?

そして夕飯後に来る様にと言われていたコーチ達がいる管理棟に来たんだけど、なんか既に嫌な予感がして部屋に帰りたい。

ていうか、なんやかんやでシンクロの練習が中止になってた訳だけど…なんかじゅさ達が無駄に忙しそうだったんだよなぁ。もちろん、みんなのコーチとして練習はちゃんとしてたんだけどさ。



「あっ、璃亜〜〜! こけけ〜〜!」

「うわっ…」

「めっちゃ嫌そうな顔しとるやん。で、璃亜が来た訳やし本題話してもええか?」

「いえ、私達から話します。まず、この合宿の最初に話した全国ジュニア大会について覚えていますか?」

「えっ、はい。確か、自由チームで参加が出来る大会でしたよね?」

「はい、そうです。その全国ジュニア大会についてなんですが、楠木さんにも参加して頂きます」

「へっ!?」



黒部コーチの言葉に思わず間抜けな声が出てしまった。確かに、この合宿の目標というか目的は全国ジュニア大会なのは知ってたけど! それにわたしが参加するとは聞いてない!

もちろん、全国ジュニア大会が男女混合の自由な大会なのは知ってたけど、わたしはまた別というか…違うじゃん? ていうか、体力的な意味でまともに試合は出来ないだろうし…普通に足を引っ張る未来しか見えないから嫌なんだけど。そりゃあ、参加したくないって言ったら嘘になるけどさ。



「安心して下さい。楠木さんのチームは、今此処にいる7人になります。それに今回は女子の場合のみ試合中に選手交代も可能なので、問題ないですよ」

「えっ、」

「シンクロ練習をして貰ってたのは、楠木さんを大会に参加させたいからってのもあったんだよねぇ。それで、まだ成功はしてないけど体調もいい感じみたいだし、どうかなぁって」

「もちろん、無理にとは言わねぇ。ただ、お前は一応選手でもあるからな。大会に参加する権利は持ってる」

「俺等とつるむんやし、ちゃんとフォローするで。それに璃亜は元々はマネージャーやっとうし、ちゃんとした大会なんてなかなか出られへんやろ? せやから、いい機会やし一緒に出ぇへん?」



……そ、そんな事を言われたら断れる訳がないというか、普通に嬉しいとか思っちゃうじゃないか。

そして相変わらず、ヘラヘラと笑いながら "なっ?" と頭を傾げるじゅさにゆっくりと頷くと満足そうに笑った。

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