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231*深い深い眠り (1/4)


んー…天気も悪くはない。
そして体調も別に悪くない。

だけど、なんだか気分が上がらないのは何故なのだろうか。

で、そんな調子で朝食を済ませて、なんとなく仁王がいるスタミナ組に来たはいいが…やる気が出ないんだよなぁ。

その結果、ぼーっとしながら仁王の隣で柘植コーチの話を聞き流していた。今日は、ダメな日なんじゃなかろうか。

アレだ、頭が全く働かない日やな。



「…璃亜、おまん大丈夫か?」

「んーーー…」

「朝食ん時から様子が変じゃったが…具合が悪い訳じゃないんじゃろ?」

「んー…だと思うけど。なんかやる気が出ないっていうか、ダルくてぼーっとする感じ?」

「今日は休んでた方がいいんじゃなか? 疲れが溜まっとるんじゃろ」

「んーーー…」



いつもなら "大丈夫大丈夫!" と笑えるはずなのにそんな気分になれず、どうしようかと悩む。

こんな状態で練習に参加しても、邪魔にしかならなそうだし。そもそも、やる気がないのに練習するとかクソ過ぎない? ていうか、ぼーっとしてるし…怪我しそうな気もする。

…ん、なんか嫌だなぁ。

別に練習をしたくない訳じゃないのに、何故かやる気が全く出ない自分に苛立つ。



「はぁ…今日は部屋に戻る。柘植コーチに話してくる」

「…ん、わかった。ゆっくり休みんしゃい」

「んー」

「なんかあったら連絡しんしゃい」

「おー」



分かりやすく仁王が心配そうな顔をしていたので、素直に休む事にした。ていうか、マジで練習の邪魔になる未来しか見えないし。

なんか周りからの視線をヒシヒシと感じるが、柘植コーチの元へ向かい事情を説明すると何も言わずただ頷かれた。相変わらず、柘植コーチは無口だぜ。

まぁ、スタミナ組の練習を無理強いする理由はないからね。それに加えて、今はシンクロ練習は中止なってて、自由練習って事になってるし。



「璃亜!!」

「ん? おー、謙也と忍足。練習がんばー」

「お、おう! まぁ、練習は頑張るんやけど…大丈夫なん? 体調悪いんか?」

「まぁ、そんなとこ? でも別に元気だから気にしないで」

「せやなぁ、特に顔色も悪くあらへんし。まぁ…璃亜ちゃんはゆっくり休みや」

「うん、そうする。じゃ、練習頑張ってね〜」



柘植コーチに事情を説明し終わって、部屋に戻ろうとしたらタリーズに声を掛けられた。まぁ、謙也も忍足もすぐに察してくれたみたいで引き留められる事はなかった。

だけど、仁王同様に心配そうな顔をされてしまったので逃げる様に退散した。

とりあえず、部屋に戻って寝るんだ。話はそれからだ。きっと起きたら、元気になるさ。

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