×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

229*緩むのは仕方ない (1/4)


……うへへ。
久し振りに早苗に起こして貰えて、なんだか幸せを感じているあたしです。

なお、自由参加の朝練は終わっている模様。



「ほら、早く起きなさい」

「はーい」

「着替えたら行くわよ」

「え、ちょま! せめて、顔だけでも洗わせて下さい!」

「わかったから、早くしなさい」

「朝から厳しいでござんす」



そして何やらマネージャー専用のノートに目を通しながら、あたしの準備を待つ早苗の表情が少し険しいのが気になりつつ、急いで準備をした。

THE・スッピン!!

せめて、眉毛は書きたかったが…まぁ、今更なので気にしないでおこう。

そもそも、練習があると汗でメイク落ちるから意味ないし。基本的にスッピンで参加してるからね、あたし。

女子力が死んでやがる!!



「じゃあ行くわよ」

「はーい」

「まだ眠そうね」

「なんか眠い気はするけど、大丈夫大丈夫」

「無理はしないでよ」

「わかってるわかってる!」



相変わらず、早苗は心配性だぜ! だけど、最近のあたしの行いを思い返せば当たり前とも言える。

まぁ、なんか色々あったからね仕方ないね。

そして、日課の氷室先生のところに行って軽い診察を受けてからレストランへ向かう。

相変わらず、朝から賑やかである。まぁ、殆んどは朝練終わりだから寝起きって訳じゃないからね。



「あ、璃亜さん羽川さんおはようございます」

「おはようございます」

「ええ、おはよう」

「あ、ちょたくん樺地くんおはよー。今、朝練が終わった感じ?」

「はい。俺と樺地は少し時間掛かっちゃって…今終わったんです」

「そかそか。二人共お疲れ様!!」

「ありがとうございます。あ、よかったら御一緒させて貰ってもいいですか?」



あたしは別に構わないけど、基本的に朝は立海のみんなと食べる様にしようって言ってた手前…どうしようかと迷っていたら、早苗が小さく笑うとあたしの代わりに"一緒に食べましょう"と答えてくれた。

昨日の事もあるし、ちょっと躊躇してたんだけど…早苗が気にしなくていいと言わんばかりにあたしの背中を叩いた。

うーん、あたしが気にし過ぎなのかな。

そしてあたしが答えると思ってたのか、ちょたくんと樺地くんが不安そうな顔であたしを見ていたので、笑って頷いた。



「うん、一緒に食べよ!!」

「じゃあ早く行かなきゃね。ほら、行きましょ」

「あ、はい!」
「ウス!」



うん、これでいいのだ。

prev|next

[戻る]