228*違和感と変化(1/4)
今日は、なんだかんだで立海のみんなと長く過ごした気がするなぁ。
まぁ、主にブン太と一緒にいたんだけどね。
「で、なんかあったの?」
「いや、何かあった訳じゃないんだけどさ〜」
「あらそう。珍しく私の部屋に来たから、また何かあったのかと思ったわ」
「なんかさぁ〜、この合宿始まってから色々あったじゃん」
「あんたが怪我をしたり、あんたがお酒を飲んで酔っ払ったり?」
「違いますー! それも事実だけど違いますー!!」
相変わらず、早苗はあたしの方を見ずにマネージャーの仕事をしている。
邪魔かなぁ〜とは思ったんだけど、早苗なら邪魔なら邪魔って言うし。そもそも、忙しかったりすると部屋にすら入れてくんないからね。まぁ、あたしが騒ぐからだけどさ。
つまり、別にいてもいいって事だから…やっぱり遠慮なんてしーない!
バフンと早苗のベッドにダイブするとハァ…と深い溜め息が聞こえたが無視だ無視。
「どうかしたの? 今日は凄く楽しかったって、嬉しそうにしてたじゃない」
「ん〜…あたしも早苗と話せないと寂しいし、嫌だけどさぁ。なんであんなにムキになるのかなぁって」
「丸井くんや切原くんの事?」
「うん、まぁその他もろもろいるけど。なんかちょっと窮屈だなぁって思ってさ。別に無下にしてるつもりもないし、普通に接してるだけなのに嫌だって言われるとさぁ〜」
「…そうね。誰と一緒に過ごそうと璃亜の自由だもの。別に無理をして誰かに合わせる必要はないのよ?」
そんな事を言いながら、優しくあやすようにあたしの頭を早苗が撫でてくるもんだから、ぎゅっと枕に顔を埋めた。
・・・無理、はしてないと思う。
それにあたしと一緒にいたいって思ってくれてる事は、むしろ嬉しいし。普通に一緒にいたくないって言われる方が嫌だからね。
だけどなぁ、なんかなぁ…別に嫌な訳じゃないんだけど、結局はあたしのせいな訳じゃん? だから、なんかなぁってなる訳ですよ。
だからって、みんなと仲良くするのをやめるかって言われたら絶対にNOですけど。
「別に難しく考えなくていいのよ? みんな、璃亜に構って貰えなくてちょっと嫉妬してるだけなんだから」
「そんな簡単もん?」
「そうよ。特に合宿中は、人が多いんだから話せない時だってあるわよ。私だってそうなんだから」
「なるべく顔を合わせたら、一言だけでも声掛けたりはしてるだけどなぁ」
「なら十分じゃない。別に璃亜は、悪くない。はい、わかった?」
「は、はい」
有無を言わさずと言った様子の早苗に反射的に頷くと、よしよしとまたあたしの頭を撫でた。
・・・うーん。
なら、今まで通りでいいのかな。まぁ、そもそもどうにか出来る事じゃないんだけどさ。
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