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226*不器用な甘え方 (1/4)


ふへ〜い。
凛と出掛けてはしゃぎ過ぎたのか、何故かもう眠い。

正直、まだ寝る時間には早い気がするがベッドにダイブなう。いやぁ、明日からまた練習が始まるから早寝するのはいいんだがなぁ〜。でもなんか勿体無く感じるんだよなぁ〜。


「璃亜、起きてるか?」


そんな事を考えながら、うっつらうっつらと夢の中へ旅立とうとしていたら、不意に聞こえた声にガバッと体を起こした。



「ん、はっ…お、起きてるよ!」

「いや、絶対に寝てただろぃ」

「そう思ったなら、すぐにドア開けんなし!」

「だって、鍵掛かってなかったし」

「ガッテム!!」

「ったく、寝るなら閉めとけよ」



そしてなんの躊躇もなく部屋に入って来たのは、風呂上りなのか髪の毛をタオルで拭いているブン太でした。

いや、髪の毛は乾かしてから来いよ。
え、なんなの? リョーマくんといい、髪の毛を乾かさないのが今流行ってんの? それともあたしへの当て付けかな?

まぁ、あたしも髪の毛は乾かすの面倒臭くて嫌いな人ですけど、季節を考えたまえ。普通に風邪引くからな!



「で、もう寝んの?」

「いや、あんまり寝たくはないんだけど眠かった的な」

「ふーん」

「それでブン太は何しに来た訳?髪の毛も乾かさないで、なんか急用?」

「べっつにー」

「いや、意味わからんし。何しに来たんだし」

「なんつーかさ、最近他校の連中と居過ぎなんじゃねって。朝飯は、立海でって話なのにいねぇ事あるし」



お、おっふぅ。
なるほど、つまりブン太はあたしに不満を言いに来たんだな? あたしに不満GOGOなんだな?

まぁ、確かに最近は他校の人と一緒にいる事が多かったし、朝飯も立海のみんなと食べなかったりしたからね。

だから、まぁ…不満気にあたしを見つめるブン太に言い訳を言うつもりはない。

まぁ、謝りはするけど。



「それは、ごめん」

「別に謝って欲しい訳じゃねぇし」

「じゃあ、どうしろと?」

「・・・俺等より他の奴等と食いてぇのかなって思って」

「は?」

「なんつーか、璃亜からしたら俺等と一緒にいるのなんて飽き飽きしてんのかもしんねぇけど、俺からしたらすっげぇ嫌なんだよぃ」



えっ・・・なんというか、うん。
それは素直に申し訳ない。

ていうか、そんなにあたしと飯を食いたいのか。むしろ、ブン太とかあたしと一緒とか関係なく飯食うじゃん。そもそも、あたしよりいつも飯が優先じゃね?

ていうか、それって



「寂しいがりやかよ」

「なっ」

「それとも他校の人達にあたしが取られるかもっていう嫉妬?」

「おまっ、わ、悪いかよぃ! そもそも璃亜がふらふらしてんのがいけねぇんだろぃ!!」



あら、随分と素直だ事。

いや、まぁ…ブン太には前に素直になるって決意表明されたしな。


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