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それぞれの強さ (1/4)



む〜む〜むぅ〜…。
眠たいなぁ…眠たいなぁ。

やっぱり勉強をした後は、疲れてるせいかいつも以上に眠くなる。

だけど、跡部くんが部屋に来るって言ってたし。ゆらゆらと体を揺らしながら、必死に眠気と戦っている。

そしてちょいちょい意識が飛びつつも睡魔と格闘していると、部屋がノックされて跡部くんの声が聞こえた。



「俺様だ」

「ん〜…入っていいよ〜」

「入るぞ。って、眠いのか」

「ん…勉強したからね〜」



あたしの顔を見るなり、呆れた顔をしてゆっくりとこちらに歩いて来る跡部くんをぼけ〜っと見つめる。

相変わらず、無駄にキラキラしてやがるな。このキングめ。そして勉強してる時からだけど、やっぱり良い匂いしますね。

そんな事を考えている内に跡部くんがゆっくりとあたしの隣に座るとスッとあたしのオデコに触れた。



「…チッ、熱いな」

「へ?」

「どっか調子が悪くねぇか?」

「ん〜…特に?眠い、くらいかなぁ…」

「合宿での疲れが一気に出たみてぇだな。明日は1日休め」

「…へっ?」



さっきとは打って変わり、眉間に皺を寄せながらあたしの頬に触れる跡部くんに頭を傾げる。

・・・んっ?え、1日休め!?

いやいやいや!確かに、疲れてないって言ったら嘘になるけど!さすがに休む程じゃない。それに眠いだけで、別に具合も悪くないし。



「既にコーチ達には話は付けて来た。まぁ、立海の連中にはまだ話してねぇがな」

「ちょ、どうしてそうなった。あたし、別に具合悪くないよ」

「…バーカ、それは自覚がねぇだけだ。今朝の検診の結果だが、かなり数値が上がってる」

「えっ…」

「今は、平気でも練習中に倒れるかもしれねぇ。今日の夜、また氷室に診てもらうが明日はどんな事があっても休んでもらう」



あたしは、体調の良し悪しに関わらず朝と夜に氷室先生の検診を受けてるんだけど、今朝の検診の結果が悪かったって…。

今までたまぁに無理をしたりすると少し数値が上がってるから無理はしないでね〜とかは、あったけど…さすがに休めって言われるって事は、つまり…そういう事なんだろう。

しかも跡部くんがこんな嘘を付く訳ないし。自覚がないってだけで…もしかして、悪化したのかな。



「んな、不安そうな顔するんじゃねぇ。疲れが一気に出たってだけだ」

「うん」

「バーカ、気にし過ぎんじゃねぇよ。そもそも、今日までよく持った方だ」

「そう、かな」



確かに、前の合宿よりは全然動けるけど…それは今回の合宿は、顔見知りが多いのもあるし。前の合宿とは、色々と違う訳だから…多少慣れた、はず。

なのになんでだろう。練習して疲れるのは、当たり前だし…それに無理をした記憶はないし、覚えもない。

しかも体調も悪くないのに。


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