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(3/4)


そして暫くして千歳くんがゆっくりとジャージを取ってくれたんだけど…



「…え、ここどこ?」

「トレーニング施設の地下ばい。ほっだけん、上より雷の音は聞こえなか」

「ち、地下?え、そんなとこっ…ヒィィィ!!」

「ん、もっとちかまりさんけー」

「ち、千歳くーん!まだ聞こえるよー!地響きするよー!!」

「大丈夫ばい。耳塞いでやるけん、落ち着きなっせ」



うわぁぁあぁぁん!

とりあえず、ここはトレーニング施設の地下なのはわかった!あたしは、こんな部屋があるの知らなかったけどね!

まだ聞こえる雷の音に思わず千歳くんにしがみ付くと、グイッとあたしの耳を胸に押し当てる様に塞いでくれた。

……………。

千歳くんの心臓の音がめっちゃ聞こえる。え、なんか…凄い安心するんだけど。



「…ち、千歳くん」

「ん?落ち着いたと?」

「だ、大分…」

「んー、まだえずかそうたい。もうちっとの我慢ばい」

「んんっ…ありがと」

「気にせんでよかとね」



そう言いながらあたしの頭を撫でるとまた耳を胸に押し当てる様にして耳を塞いでくれた。

あぁ、千歳くんスマイルが優し過ぎてヤバい。そして、安心し過ぎて眠くなって来たという。あたしの天敵の雷が鳴ってるのに眠くなるとか千歳くんやべぇ…千歳くんパワー半端ねぇ。

しかも空いてる方の手で頭を撫でているので、それはもう眠くなりますよ。

それにちょっと雨に濡れてるけど千歳くん体温高くて温かいんだもん。


―――
――――
―――――

*****


さっきまで雷に怯えて震えてた璃亜は、疲れたのか俺の腕の中でスヤスヤと寝てる。

んー、むぞかねぇ。

運良くふらふら練習ば抜けて歩いとってよかったばい。

そんな事を思いながら璃亜の頭を撫でていると不意に振動音が聞こえて来て軽く璃亜のズボンのポッケから未だに震えてるものを取り出す。

画面には羽川の文字。

羽川の事ばい、璃亜が雷が苦手なの知っとって心配して電話してきたと。

とりあえず、璃亜に少し悪いと思いつつ、通話ボタンを押した。



「"璃亜!?あんたどこにいるのよ!"」

「安心しなっせ、璃亜なら寝とるばい」

「"えっ…あ、あら?その話し方…千歳くん?"」

「"千歳やと!?あいつ、どこ行ってんねん!"」

「"相変わらずサボりッスか"」

「雷に怯えとる璃亜ば見付けて、一緒にいたばい。戻った方がよかと?」

「"…いえ、こっちも練習は中止になったから…雷が落ち着いてから連れて来てくれるかしら?"」

「ん、わかったばい」



じゃあ璃亜をよろしくね。と早々と通話を切る羽川はやっぱり賢いばい。

多分、立海の連中やら白石やらが騒ぎ出す前に切ってくれたんだと思う。


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