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ふんふんふーん。

やっぱり地味だけどボールの選別とか楽しいよね。計五ヶ所(多過ぎ)ある備品庫にてボールの選別やらをやっていた訳だけど、ここでやっと最後である。

それにしても元のボールの数と実際あるボールの数が合わなさすぎて笑える。それに使えないヤツもかなり混ざってるし、ボール酷使し過ぎだろ。

いや、まぁ…消耗品だから仕方ないけどさ。

とりあえず、思ってたより結構時間掛かっちゃったけど…もう少しでやっと終わるから頑張ろ!と意気込んだ矢先、タンッタンッと何やら物音がしたかと思ったら外からザァーッと勢いのいい雨音が聞こえてきた。

うわぁお…さっきまで晴れてた様な気がするし、夕立かなぁ?まぁ、あたしはここに居れば濡れる事はないけど…みんなはもう試合してるだろうし。濡れちゃうだろうなぁ〜とか思いつつボールの選別を続けていると…

ピカッとなにかが光った。

その瞬間、思わず耳を塞ぐと案の定地響きと共に雷が鳴った。


「ひぃっ…!!」


マ、マジで勘弁!

こんなところで1人で雷に対抗出来る気がしない!しかも備品庫は、普通に窓あるし!音もめっちゃ聞こえるからここにいても雨を凌げるだけで雷にはまるで意味がない。

まだ電気はついてるからマシだけどっ…!いや、全然マシじゃない!

ヒィィィ…怖いよぅ。
だ、誰か助けてくれぇ…。
くぅ、早苗…早苗ーっ!

そして暫く必死に耳を塞ぎながらしゃがんでいると不意に何かに頭を撫でられてパッと顔を上げるとそこには、軽く髪を濡らした千歳くんがいた。

うわぁぁあぁんっ!!
千歳くーん!救世主千歳くーん!なんで練習もせずにここにいるんだとか気になる事は山程あるけど、今はそんなの気にしないよ!


「璃亜、雷ばえずかと?」


なんかよくわからないけど多分、怖いん?的な事を言ってると信じて全力でコクコクと頷くと少し考える素振りをするとジャージを脱いであたしの頭に掛けるとそのまましゃがんでいたあたしを抱き抱えた。

いつもなら、えぇ!?なになになんなの!?と騒ぐところだが、今はそんな余裕もないので千歳くんを信じて大人しくしている。

そして鳴り響く雷にまた耳を塞ぐと千歳くんがなにかを言った気がしたが全く聞き取れなかった。そしてジャージで顔も見えない。なにこれ違う意味で怖いよ。

でも稲光が見えるより全然いいので目をギュッと瞑り耳を塞いだままいい子にしてた。

そしてどうやら外に出たらしくひんやり冷たい風と雨に軽く打たれながらこんな雷の中どこに行くんだよー!と心の中で叫んだ。


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