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今日は、ほぼ1日璃亜ちゃんの隣で勉強教えたって…正直それだけでめっちゃ嬉しかったんやけど。

さらに、一緒に出掛けられるとは思わへんかったから…嬉しかった。せやけど、たまたま璃亜ちゃんもなんか欲しいもんがあったからついでに行こうくらいの気持ちやろうなぁ〜と思ってたんに…



「え、ならなんで来たん!?外寒いし、用ないんやろ?」

「え、用はあるかな。今日のお礼に蔵にお茶でも奢ろうかと」

「へ?」

「今日、勉強教えて貰ったし。本当に助かったからお礼しようかなーって。合宿場だとお礼するにもかなり限られてくるし」

「えっ…ちょ、お礼とか散々言われたから別にええで?ちゅーか、ならついでとかやなくてただ一緒に来てくれたん?」

「え、うん。別に暇だったし」



あかん、今日の璃亜ちゃん…ホンマにようわからん!アレか!?勉強でホンマに弱っとるんか?せやから、俺なんかにこんなにあっさり付いてきたんか?

俺相手ならいつもなら絶対にメンドい眠いから行かないって言うやろ。お礼は確かに璃亜ちゃんならしそうやけど。

悲しいけど俺なんだかんだで璃亜ちゃんに苦手意識持たれとるのは自覚あるし。

なんなん?今日の璃亜ちゃん、ホンマにガード緩過ぎひん!?(※それは貴方だからです。基本いつも緩いです)



「とりあえず、蔵が買いたい物買っちゃお。そしたらお茶でも奢るから」

「お、おん…せ、せやな」

「それで何が欲しいの?」

「シューズの靴紐とグリップテープやで。後、シャンプーやな…」

「え、テニス用品はわかるけど…なんでシャンプー?持参してるにしても切れるの早くない?」

「俺、妹おるんやけど…妹が気に入らんから使って言うたシャンプー持ってきたんやけど…それみんなに使ってええよ〜言うたら思いの外、好評でなぁ」



まさかあんな甘ったるい匂いのシャンプーみんなが使うとか思わんへんやん?小春とユウジは、まぁ…わかるんやけど。なのに何故か切原くんとか1年生が気に入ったらしくいつの間にかなくなってたっちゅー訳や。

まぁ、風呂場に置きっぱなしにしとった俺も悪いんやけど。

正直、備え付けのでも別にええっちゃええんやけど…出来れば自分がいつも使っとるヤツがええし。



「まぁ、人数が人数だしねぇ〜」

「せやなぁ、甘く見てたわ」

「じゃあスポーツショップ行ったら、ドラッグストアかな?」

「おん。ほな、行こか」

「うん。あ、あたし道わからないから置いてかないでね」

「ははっ、ほな手離さんでな」

「はーい!」

「ええ返事やな」



迷いたくないもーん!と笑いながら繋いでた手を握る力を強める璃亜ちゃんに思わず笑みが溢れる。

ホンマにガード緩みきっとるなぁ…ちゅーか、警戒しとらんといつにも増して素直で可愛えなぁ。

なんて思いながら璃亜ちゃんの手を引いて店に向かった。

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