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そして蔵と寮に戻って来て準備出来たら迎えに行くわと言われて、あたしも準備をした。

ちなみに途中で仁王やら跡部くんやらにギャーギャーと絡まれたが、無視して来た。勉強で苦しむ、あたしを助けてくれなかった奴等なんか知らんがな。

てか、合宿だから可愛い服とか持ってきてないんだけど。まさかの無地のロンTとショートパンツなんだけど、女子力低すぎてワロタ。

まぁ、いいや。とりあえず、外寒いだろうしダウンジャケット着よう。もちろん、可愛いコートなんか持ってきてねぇよ!合宿だもん、仕方ないね。


そして暫くして部屋がノックされて蔵が表れた訳だが、おい…おかしいだろ。なんで合宿なのにそんなお洒落な服持って来てんだよ。なにこの人、モデルかよ!ひーちゃんも謙也もそうだったけど四天宝寺は、ファッションセンス飛び抜け過ぎじゃない!?関西怖い。

これは、あたしなんかが隣を歩いてたら非難GO!GO!だよ。



「あたし、やっぱり行かない」

「…えっ!?具合悪いん?」

「いや、悪くないけど。あたしの格好かなり適当だし、なんか蔵の隣歩くの怖いからやめとこうかなと」

「ん〜?別に適当ちゃうやん。ちゅーか、そない気になるならジャージに着替えてくるで?」

「い、いや…もういいよ、このまま行くよ。クソッ…このイケメンめ!イケメンなのは顔だけにしとけよ!」

「ははっ、おおきに」

「余裕か!」



そしてあたしの格好が適当なのはもう諦めて、蔵と一緒に出掛ける事にしました。なんか色々と許可を貰ってやっと門を出られたよ。やっぱり外出するのもなかなか大変なんだなぁ。この合宿場、色々と厳重過ぎだぜ。

ていうか、今更だけど…あたし道を全く知らないんだけど。え?蔵も関西だし、大丈夫なの?なんか凄い不安になってきたんだけど。

しかし、そんなあたしの不安をよそにこっちやでとあたしの手を引く蔵は余裕そうである。いや、まぁ…普通に考えて出掛けるって言ってた本人が道を知らない訳ないか。



「…璃亜ちゃん、やけに手冷たいな。大丈夫なん?」

「あ、いつもの事だから気にしないで。具合は悪くないから」

「ならええんやけど。具合悪くなったらすぐに言うてな?」

「おん。ほら、早く蔵が買いたい物を買いに行くぞー」

「ははっ、せやなぁ。璃亜ちゃんは、なんか欲しいもんあるん?」

「え、特にない」

「えっ…ちょ、ホンマに俺に付いて来てくれただけなん!?」



蔵の言葉にコクりと頷くと心底驚いたと言わんばかりに目を見開く。おぉ、めっちゃおめめでかいわね。

それにしても、そんな驚く事なんだろうか。

まぁ、欲しいものはないけど…ふらぁ〜とどこかでお茶でも奢ろうくらいにしか思ってませんでしたけど、ダメですかね?

しかし、そんなあたしの思いを知らずに付き合わせてすまん!と何故か謝りだす蔵にきょとんとするあたしであった。


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