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なんかこうして座り込んどる璃亜を見るとあの時を思い出すのぅ。

ヤケクソに物をぶん投げて荒れていた璃亜を思い出す。



「お前さんの好きなようにしんしゃい。バスケしたいならしたらいい、俺等が嫌いなら嫌いでええ」

「…何言ってんの」

「その代わり、逃げるんじゃなか。自分の病気と向き合わなダメじゃ」

「………………」

「自分の病気を認めんしゃい。受け止めてちゃんと理解するんじゃ」



羽川は、言ってた。璃亜は、自分の病気の重大さをわかってないと。

璃亜は、きっと認めたくなかったし、知りたくなかったんじゃろ。でも幸村は許せなかった。だからあんなキツイ言い方をした。

あやつも結構辛い思いをしたからの。逃げてるだけの璃亜を見てられなかったんじゃろ。それにあんなに嬉しそうに笑う璃亜を見たら仕方ない事じゃろ。



「何事も知る事が大事じゃ。バスケをしたいなら尚更ぜよ」

「…わかった。ちゃんと病院には行く。でもバスケはしない」

「なんでじゃ?お前さんバスケが好きなんじゃろ?」



ちゅーか、病院に行っとらんかったんか。そりゃあ羽川も苦労するわ。

まぁ、ここまで言われて何も変わろうとせんかったら呆れてたが…こやつは負けず嫌いじゃからの。

それを知っててわざとキツイ言い方をした幸村は、さすがというかなんというか…。



「バスケは、もうやめたから。もしやるとしてもお遊びで十分だから」

「お前さんがそう言うなら俺は、なんも言わんよ」

「むしろ、テニスに興味あるかも。あんた達をギャフンと言わせたい」

「なんでそうなるんじゃ。それとギャフンは古いと思うぜよ」

「はぁ…ムカつくなぁ。言われたくないことズバズバ言われるし、お節介だし、バスケ上手いし」



なんか誉められてるのか貶されてるのかよくわからんが、璃亜はもう泣いてなくて呆れた様な何か諦めたような顔をするとバッと立ち上がった。

そしてゆっくりとボールを拾い上げると何度か弾ませる。

そんな璃亜に俺も立ち上がると璃亜がバッとこちらを向いた。



「ムカつくけどありがと!あたし頑張ってみるよ。治るかわかんないけどちゃんと向き合う」

「・・・・・」

「それと幸村くんにも謝らなくちゃ」



そう言って放たれたボールは、綺麗な放物線を描きストンっとゴールに吸い込まれた。


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