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そして地獄の英語の時間が始まった訳だが…ちなみごちゃ混ぜだけど一応、学年別になってるので赤也がさっき璃亜先輩の隣がぁぁー!とか嘆いてた。

お前が隣とか更に地獄になるだろ、やめろよ。



「璃亜ちゃん達、来るん早いなぁ。隣ええ?」

「あ、どうぞ〜」

「そない隅っこに居らんで真ん中に座っとればええんに」

「いや、隣が壁だと安心するんです…お構い無く」



机に突っ伏したまま顔だけ横を向けば、なんやそれと笑いながらノートを開く蔵が目に入りハァ…と深い溜め息を吐く。

てか、なんでノート持参?なんか問題集貰ってそれをやるって話じゃなかった?あれ?あたしと赤也だけ?ノートとか持ってないの。これがバカの差なのか。

あぁ…もう隣が蔵とかどうでもいいくらいに憂鬱だ。しかも今回の英語に立海メンバーいないし。あぁ、ジャッカルくんが恋しい…英語教えてくれぇ。あぁ…弦ちゃんのあのハキハキした発音の英語が聞きたい。いや、聞きたくない…英語やりたくねぇし。

そしてチャイムが鳴って授業が始まるらしい。本格的に学校みたいですね…これは、眠くなりますねぇ。

そんな事を考えていると蔵から問題集を渡されてそれを無言で見つめる。

やべぇ…最高に寝てぇ!

ちなみに答え丸写し防止でまさかの人数分違う問題集を用意したらしいよ。そんな配慮要らねぇから!つまり、わからなかったら誰かに教わりながらやるか、諦めるかの二択である。

早い人なら20分程度で出来る問題だとか説明されたけど、全く出来ない人なら何分掛かるんですかねぇ?あ、赤也と目が合った。さすがに同じ事を思ったらしくマジ無理ッス!と口パクで言っている。

赤也の隣は…うわぁ、純平かよ。絶対教えて貰えない(確信)。むしろ、英語に苦しむ赤也を観察して楽しみそう。

まぁ、頑張れ〜と軽く手を振るがあたしも赤也をバカに出来ないのであった。


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問題集と格闘する事、約10分。
まるで進まない。そして1年生組が喧しい!うむ…あれは赤也と桃城くんの声だな。わっかんねぇ〜!とか意味わかんねぇ!とか言いながら騒いでいる。

ちなみに2年生組はそれを無視して黙々と問題集をやっていて、あたしは泣きたくなって来たよ。



「…うぅっ…わかんない〜…ジャッカルくぅん…弦ちゃぁん…」

「えっ…ちょ、泣く程わからんの?待ってな、もう少しで終わるから…」

「あぁ…もうやだよぉ…。全部、potetoって書こうかな…」

「なんでpoteto?」

「じゃがいも食べたい。ほくほくの」

「しかも英語やとpotatoやで。ちゅーか、発想が自由過ぎやろ」



そして隣でグズグズと半泣きで机に突っ伏しているあたしを見るなり蔵がギョッとした顔をして軽くあたしの頭を撫でるとスラスラと問題集を解く手を速めた。


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