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んんっ〜それにしてもココアを飲んで(3杯目)ほっこりいい気分で少し眠くなって来たかも。しかもちょいちょい淳くんがあたしの頭を撫でるのがまた眠気を誘う。



「それにしても、前の合宿でもかなり無茶をしたと聞いていましたが…」

「女子とはいえ、強化合宿に参加してる子のサーブを背中に受けるとか普通に危ないよね」

「確かに。芥川の為だと聞いたが…普通は痛いで済まないぞ」

「ん〜大丈夫。当たるってわかってたから多少の心構えはあったし」

「いや、そういう事じゃないと思うが…」



いや、まぁ…正直マジで痛くて息止まったけどね。でもアレは、本当に仕方がなかったんですよ。ジローちゃんがいなかったら余裕で避けてただろうけどさ。

それにあたしを狙ってたとしても完全にジローちゃんに当たるコースだったし。あたしを狙ってたならあたしに当たるのが筋だろうに。

まぁ、その結果…当分は安静にしてなきゃならないんだけどね!いや、でもよく考えたら骨に異常もなかったし運がよかったのかもしれんな!



「しかし、貴女は女性なんですから…余り無茶をしない方がいいですよ。もう少し自分を大事にしてはどうです?」

「いや、まぁ〜確かに痛いのは嫌だけどね?でも他の人が辛い思いするのはもっと嫌なんですよ〜」

「クスクス、凄くいい事言ってるのに目瞑ってるのはどうなの?」

「…喋り方的に眠いんじゃないのか?」

「ん〜淳くんが頭撫でるんが悪いんじゃ〜。後、この雰囲気が眠くさせるんじゃ〜」

「あれ?俺のせいなの?クスクス、そんな体ふらふら揺らしてると椅子から落ちるよ」



眠気覚ましに振り子の様にふらふらと左右に揺れていると淳くんがほら、危ないよと頭を押さえるとぽんぽんと頭を撫でた。

だからぁ〜それやられると眠くなるんじゃ〜い。しかし、そんなあたしを無視してネコみたいだねなんて言いながら肩に軽く寄り掛かる様に頭を寄せてくれる淳くんはイケメンだ。

え、寝ていいのか?肩を貸してくれるのは嬉しいが寝ていいのか?いや、なら部屋に戻るべきである。



「背中痛くて背凭れに寄り掛かれなかったんだよね?気付くの遅れてごめんね」

「ハッ!そ、そうですね。配慮が足りなくてすみません」

「ん〜?え、うん。大丈夫大丈夫〜」

「それよりも眠気と戦うのに必死みたいだぞ」

「はははっ、あたしは負けんぞ」



その通りだよ、赤澤くん。

淳くんの肩に寄り掛かった途端に強烈な眠気があたしを襲う。アレだ、基本的に誰かの肩に寄り掛かった時は寝る時だからもう寝るぞー!的なノリなんだよ、あたしの体が。

んんっ〜しかもそれに加えて淳くんがクスクス笑いながら頭を撫でてるからね…もうダメだよね。

あぁ…寝てしまうぅぅ〜。




※おやすみタイム
(えーと…楠木さん?)
(あー…本当に寝たっぽいぞ)
(クスクス、本当に寝ちゃうんだもんなぁ)
(なんか淳が寝かせたみたいだな)
(とりあえず、運びましょうか…)
(抱っこだと背中痛むだろうし、おんぶかな)
(俺が持つから、淳がおぶるか?)
(寝かせたの木更津くんですからね)
(クスクス、別にいいよ)
(よっと…思ったより軽いな)
(うわぁ、これは観月でもおぶれるよ)
(どういう意味ですか!)

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