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あぁ…もう本当に寝ようかな。
なんでか知らないけどチュッパ取られたし。
そんな事を考えながらベッドに押し倒されたままの格好で目を瞑るとブン太が布団を掛け直した。
なんなんだよ、怒ったり照れたり優しかったり…本当に訳がわからないな、こいつ。
「今日のブン太、変」
「…うっせ」
「なんかあったの?」
「いいから寝てろよ。みんな来たら起こしてやるから」
そんな事を言いながらガリガリとチュッパを噛み砕いてるブン太になんだかちょっと心配になる。
てか、噛み砕くなよ。
しかもよく見たらあたしのプリン味もガリガリ噛み砕かれてた。やべぇよ…飴を舐めずにガリガリ食べてやがる。
そんなにイライラしているんだろうか。むしろ、あたしがイライラさせたんだろうか。
いや、アレは押し倒したブン太が悪いからあたしは悪くない。むしろ、あたし具合悪い人だからね。
「ブン太さん」
「あ?」
「こわっ!どんだけイライラしてんだし」
「別にしてねぇし」
「嫌な事は寝て忘れようぜ?」
「は?」
「優しい璃亜さんが仕方ないから、ベッド半分貸してあげるから!」
*****
は?なに言ってんだ、こいつ。
確かにイライラしてたのは認めるけど、寝て忘れようぜって…はぁ?バカかよ。
つーか、別に璃亜にイライラしてる訳じゃねぇし。素直になれない自分にイライラしてるっつーか…璃亜に好きな子とかいじめるタイプとか言われるし。
璃亜が具合悪いの忘れて悪化させちまうし。本当、何やってんだって感じ。
あぁ…仁王とか幸村くんなら上手い事、璃亜の事甘やかしたりして可愛がるんだろうなぁー。最近の仁王と幸村くんに対して璃亜の表情が柔らかいし。
そりゃあそうか。
仁王も幸村くんも璃亜の為にって色々やってんもんな。仁王とか柄にもなく体まで張って守ってるし。てか、お前誰だよレベルに笑うようになったし、ワガママ言うし。
…俺だって璃亜の為になんかしてやりたいと思うけど、なんか上手くいかねぇし?むしろ、喧嘩ばっかだし。
「ブン太さん眉間にシワがヤバいッスよ〜」
「・・・(誰のせいだよ、誰の)」
「なにをそんなにイライラしてるのはわからないけどさ、イライラしてるのにそんな悲しそうな顔しないでよ。心配になる」
「…ねる」
「素直でよろしい!ほれ、寒いから入りなさい!!」
…もうやだ、このばか。
本当になんなんだよ…普通におかしいだろ。
布団を捲ってバンバンとベッドを叩きながら笑ってる璃亜に呆れを通り越して尊敬する。
俺、こんなベッドへの誘い方されたの初めてなんだけど。
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