妙技素直に開き直る (1/4)
「ぶひぃ〜暇だぶひぃ〜」
「張り倒すぞ」
「ブン太さん顔がマジです。やめて下さい」
「ハァ、自主練行かなきゃなのになぁー。でも誰かさんに付いてなきゃならねぇからなー」
「だから行って来ていいよって言ってるじゃん!」
「璃亜が抜け出すから無理」
と、さっきからブン太とこんな会話ばかりしている。ちなみに早苗は、さっきマネージャーの仕事があると戻って行きました。本当に申し訳ないです。
まだ頭はクラクラするし、微かに視界も歪んでるので大人しくしてるつもりなのに…どうにもこうにもあたしは信用されてないようで、ずっとブン太があたしに付き添ってます。
とんでもねぇ、信用の無さだよ!
いや、確かに無茶したからね!ごめんね!でも今回は、凄く満足です!はい、なんかもう…本当にごめんなさい!!
「ったく、んな顔すんなばーか。別に怒ってねぇし」
「嘘だね!」
「つーか、璃亜が無茶するなんてみんなわかってたし。まぁ、確かに合宿始まって2日目で無茶するとは思わなかったけどなぁー」
「どうしても譲れなかったんですよ」
「わかってるっつーの。だから誰も怒ってねぇよ」
あ、でも赤也は怒ってるかもなー!なんて言いながらどこから持って来たのかチュッパチャップスの包装紙をガサガサと取り始めるブン太に驚く。
こいつ、ドラえもんかよ。いつもなんかしらお菓子持ってんな。てか、どっから出したんだし。
そんな事を考えていると食う?とチュッパチャップスをさらに3本出すブン太にやっぱりこいつ頭お菓子い…いやおかしいと思いながらプリンがいいと言うと、おっいい趣味してんな!なんて言いながら包装紙を取るとあたしの口に押し込んだ。
おい、せめて渡せよ。
「赤也の為にサンキューな」
「んが?…んがが?、あがっ…」
「それ何語だよい」
「…んっ!だから、当たり前の事しただけだって言ったの!」
「ぜってぇ、嘘だ。さっきのは、はぁ?なにが?だろ」
「なんでわかったんだよ、こえーな」
「なんつーかさ、赤也は俺等と違うもんいっぱい背負ってるだろ?だから精神的に弱いのはわかってたんだけどよ、やっぱりそういうのって慎重に接しないとだしよ。だから、俺はなんも出来なくてさ」
あぁ…うん、やっぱりブン太も不器用だな。口が悪くてズバズバ言うから赤也と喧嘩ばっかりするけど…なんだかんだでちゃんと赤也を見てる。
いや、だったらあたしが合宿に参加するしないの時のあれはなんなんだ。マジで意味わかんねぇな、こいつ。
まぁ、でもあれも赤也を心配した結果なんだけどさ。本当に不器用な奴等だな!
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