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そしてとりあえず、休憩が終わるらしくあたしはベンチで見てるように言われたのでいい子にベンチに座ってます。

うわぁ…ムカつくけど、やっぱり毛利さんとチャラチャラさん上手いなぁ。ていうか、チャラチャラさんがずば抜けて上手くて…遊んでるようにしか見えない。

いや、あれは遊んでるのか。



「璃亜ちゃん、体調大丈夫なん?」

「へ?あぁ、全然大丈夫だよ」

「そか、ならええんやけど。無理したらあかんで」

「メニュー貰ったんだと?俺様にも見せてみろ」

「ん、これだよ。軽いメニューだし、大した事ないよ?」

「午前はモニタリングしとったって聞いたんやけど、なんかわかった?」



さっきまで打ち合いをしていた跡部くんと蔵、仁と弦ちゃんが一緒にベンチにいるんだけど。あたしは、跡部くんと蔵に挟まれてます。

そしてメニューのメモを跡部くんに渡すと蔵があたしの頭を撫でるとモニタリングについて聞いてきた。

いや、うん…別にちょっと気になったところをメモしたりしただけだと言うと蔵が少しだけ目を見開いて笑い出した。

なにこれ怖い。



「そない重要な事やってたんか。璃亜ちゃんは、やっぱり凄いな」

「いやいや、そうでもない。本当に気になったところだけだし」

「ほな、俺に気になるところあった?」

「うーん…蔵は、なんか迷いがあるような…試行錯誤してるのかなんか全体的にちょっとブレてた…かな?元から完璧なプレーしてたし」

「ハハッ、当たりやで。完璧はもちろんやけど、それだけじゃあかんと思ってな」



色々考えとるんやけどなかなか上手くいかんねん…と自嘲気味に笑う蔵は毛利さんと打ち合いをしている精市を見るとギュッと左腕を掴んでいた。

全国大会の事をまだ引き摺ってるのかな。正確には、蔵が負けたのは弦ちゃんだけど…全国大会で最終的に優勝を決めたのは精市だし。

やっぱり部長ってのは、どこまでも自分を追い込みたがるんだなぁ…。

なのに、純粋に自分の負けを受け入れて、次へ次へと前に進み自分を信じて努力する跡部くんは、本当に凄いなぁって思う。迷いがないって言うか…まぁ、その分かなりストイックだけど。



「ん、ならあたしと一緒に頑張ろ。あたしも強くなりたいから」

「璃亜ちゃんと?」

「電話で一緒に頑張ろって言ったの蔵じゃん」

「…せやったな」

「だからその暗い顔すんの禁止」

「蔵だけに暗い顔って?」

「……………」

「う、嘘やん!冗談やからそんな冷めた目せんといて!!」



まぁ、蔵なりにあたしに気を使ったという事にしてあげよう。正直、かなりイラッとしたけど。

とりあえず、必死に手をブンブンしながら焦ってる蔵の腕を掴んで、悩んでるならいつでも話は聞くからね。と言うとおおきに…と小さく笑った。


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