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眠たそうな目を擦りながら俺の手に引かれて歩いとる璃亜は、なんだか子供みたいナリ。

相変わらず、口は悪いし手も早いが…最近は心なしか璃亜が気を許してくれてる気がする。

朝飯も作ってくれるし、一緒に登校してても嫌な顔をしなくなった。それに意味もなく部屋に遊びに行っても居留守は使わんし、俺の部屋に呼べば嫌々ながらもちゃんと来てくれる。

ぎゅーしたりすると騒ぐのは相変わらずじゃが、前に比べると可愛いもんじゃ。


そんな事を思いながらレストランに着いて、璃亜に軽く説明して適当に食べた。そしてまだ目が冷めないのか、璃亜はボーッとしながらモグモグと食べとった。



「まだ眠いんか。少し外の風に当たるか?」

「ん〜行く。散歩しつつちょっとテニスしようぜ」

「散歩しながらテニスってどんな練習じゃ」

「そういう意味じゃねぇし。あ、ラケットないよ〜部屋じゃんか〜仁王のボケ」

「誰かしらコートにおるじゃろうし、借りればよか」

「あ、あそこにジャッカルくんみっけ」

「忍足もいるみたいじゃが行くんか?」

「うん、やめておこう」



相変わらず、ジャッカルは大好きみたいじゃが…苦手な忍足には勝てんのか。いや、苦手っていうか警戒に近い気もするが。

そして最終的に着いたのは、黒羽・桃城・宍戸・鳳がいたコートじゃった。

まぁ、比較的まともなメンバーで璃亜も嬉しそうに4人と話しとる。



「ったく、どこ行ってんだよ?みんなが探し回ってたぜ?」

「いやぁ、明日から合宿が本格的に始まる訳だし?ゆっくり寝てた」

「あぁ、羽川がみんなにそう言ってたな」

「でもよかったです。またなにかあったのかと思いましたよ…」

「本当ッスよ〜!てか、まだ眠そうッスけど…大丈夫なんスか?」

「大丈夫大丈夫。でもラケット部屋に忘れてきちゃってさぁ〜」

「完全に寝惚けてんじゃねぇか。ったく、俺の貸してやるから打つか?」

「宍戸くんマジで兄ちゃん!ありがと!」



そして何やら宍戸にラケットを借りたらしく眠そうだったのが嘘のように嬉しそうに笑っている璃亜を見ながら、羽川に連絡を入れておいた。

おーおー、はしゃいどるな。

ベンチに座りながら桃城のダンクスマッシュの真似をして跳び跳ねて笑ってる璃亜に鳳が負けじとサーブを披露しとる。

黒羽がまるで保護者みたいになっとるんじゃが、いいんか。そんな事を思いながらコートを見ていると宍戸がゆっくりとベンチに向かって来て隣に座った。




(仁王は打たなくていいのか?)
(生憎、俺もラケット忘れてのぅ)
(2人してボケてんのかよ)
(璃亜の世話しとっただけナリ)
(あぁ〜また変なところで寝てたのか)
(まぁ、そんなところじゃ)
(みんな血眼になって探してたぜ)
(相変わらず、心配されとるのぅ)
(当たり前だろ。あいつすぐどっか行くし)
(そのうえ、どこでも寝るしのぅ)
(ジローかよ)
(芥川より行動力あるぜよ)

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