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そして寮の外に出ると何やら中央コートの方がヤケに騒がしくて、ここまで声が聞こえてくる。いや、どんだけ騒いでるんだよ。

そんな事を思っていると仁王が少し考える素振りをするとゆっくりと中央コートと反対の道を歩いて行く。



「どこに向かってるんですかねぇ?」

「静かな場所じゃ」

「既に騒がしい声が聞こえて来てるんですが、それは」

「昼飯まで試合するって騒いどったからのぅ。他のコートも誰かしらいるじゃろ」

「ふーん?てか、あたしイマイチ場所把握してないし、置いてったりしたらキレるからな」

「置いて行く訳ないじゃろ。ほれ、もう少しじゃ」



いや、もう少しもなにもここ完全に林なんですけど。お前は一体なにを言ってるんだ。そしてあんまり林とか森にいい思い出がないんで行きたくないんですけど。

しかしそんなあたしを無視して森林浴ナリ〜とか呑気な事を言ってるこのバカを誰か止めて下さい。

いや、確かに今日はいい天気ですしね?森林浴とか最高だと思いますけど!今する事なんですかね!?

そして暫く歩くとちょっと開けたところに休憩所みたいなところがあって、とりあえずそこに座った。



「誰もいなくてよかったナリ」

「いや、むしろいたら怖いわ」

「参加人数が人数じゃき、いてもおかしくないぜよ」

「まぁ、それは確かに。それでなんでこんなところに来た訳?まさか、マジで森林浴しに来ただけ!?」

「強ち間違っとらん。明日から大変じゃろうし、今日くらいゆっくりしたいじゃろ?」



それでもなくお前さんの周りは騒がしいじゃろうからの。と言いながらゆっくりとイスに寝転がる仁王に少しだけ違和感を感じつつも、確かにそうだなと思った。

そしてなんの躊躇もなくあたしの膝に頭を乗せてきた仁王にイラッとして思わず頭を引っ叩くと酷いナリ〜とかいいつつ、嬉しいである。

なんだこいつ!



「璃亜寒くなか?」

「今更過ぎる心配ありがとう。まぁ、今日は天気いいから大丈夫だけど」

「ほーか、ならよか」

「それより頭を退けろ」

「ん〜、嫌じゃ。のぅ璃亜?」

「なんだよ」

「あんまり無理するんじゃなかよ。辛かったら言いんしゃい」



そんな事を言いながらあたしの膝で寝転がる仁王があたしの髪を撫でる。

あれなんかこのセリフ前にも聞いたような気がする。

まぁ…また今回の合宿も色々ありそうだし、素直に頷くといい子じゃのぅ〜なんて言いながら仁王が目を細めた。






(…眠いナリ)
(あんたバスで寝てなかったの?)
(全く寝とらん)
(ふーん、なら寝れば?)
(璃亜が起こしてくれるんか?)
(多分な)
(不安しかないんじゃが)
(うっせぇな!なら起きてろ!)
(おやすみナリ〜)
(本当に人の話聞かねぇな!)
(そう言いながら頭撫でてくれるんじゃな〜)
(あ、ジローちゃんと間違えた。死にたい)
(なんでじゃ、おかしいナリ)
(いいから寝ろよ!うっせぇな!)

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