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そして璃亜が勝手に決めたチームでバスケの試合をする事になった。
ちなみにチーム分けは
跡部・樺地・向日・宍戸・滝
幸村・芥川・日吉・忍足・鳳
そして人数が合わないから俺は、自分で璃亜の審判の手伝いというか試合を観ることにした。
とりあえず、5ポイントを取った方が勝ちというルールらしい。まぁ、もう時間も遅いからそれが妥当じゃが。
そして璃亜の合図で試合が始まる。審判と言ってもベンチに座って緩い感じの審判である。
「なんで仁王やんないの?」
「人数が合わんし、お前さん一人で審判するのも寂しいじゃろ」
「いや、別に?試合観れるし」
「お前さんは、本当に可愛くなか」
「仁王に可愛いとか言われても胡散臭いだけなんですが、それは」
「クククッ…それもそうじゃな」
そして璃亜になに笑ってんだと言わんばかりの顔をされる。いや、普通はお世辞でも可愛いって言われたら喜ぶもんじゃろ。
なのに胡散臭いだけって…クククッ。とことん、おかしな奴じゃな。
そんな仁王に頭を傾げつつも璃亜は、皆の試合に集中する。さすがに運動神経がいいだけの事はあり、なかなか白熱した試合を繰り広げていた。
それを嬉しそう観る璃亜を見ていた仁王だったがその顔は、なんだか複雑な表情だった。
「はい、幸村くんチームの勝ち!てか、みんな上手すぎ。なんなの?」
「えへへー!璃亜ちゃんともやりたかったけど、めちゃくちゃ楽しかったC〜!」
「今度は、罰ゲーム有りで一緒にやりましょう。まさか逃げませんよね?」
「…え〜、わかちゃんになら1on1でも余裕で勝てる自信あるし?いつでも受けて立つよ」
「なら俺とも勝負な!もちろんテニスもだぜ!だから早く体調治せよ!」
「…ハハッ、まっかせてー!」
そうじゃ。璃亜の病気を知ってるのは跡部、樺地、芥川だけじゃ。後の奴には、体調が悪いで説明したと跡部が言っとった。
だからなんの躊躇もなく"また"とか"次"とか言えるんじゃな。間違いなくその"また"とか"次"は実現しない。
それをわかってるから璃亜は、あんなに悲しそうに笑ってるんじゃ。
「あ、そうだ。あたしちょっとだけ撃ってから戻るからみんな先に行ってて」
「なら俺等だって一緒に」
「あんまり遅くなんなよ。10分して来なかったら迎えを送る。おら、行くぞ」
「うん。跡部くんありがとう」
有無を言わさず帰るぞと氷帝のメンバーを連れていく跡部は、俺と幸村にも行くぞとアイコンタクトをした。
ゆっくりと璃亜を見れば笑顔で手を振っていて渋々、跡部達のあとを付いていった。
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