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よしよしと頭を撫でられている璃亜は、相変わらず顔は真っ赤ではあるが嫌がる素振りは見せずに素直に頭を撫でられていた。
しかしそんな二人の邪魔をするように跡部がボールを仁王に向かって投げるがあっさりと受け止める。
「空気が読めん奴じゃな」
「あーん?!」
「あ、ご、ごめんね!みんなも一緒にやろう?」
「やるやるー!璃亜ちゃんのシュート凄かったC〜!」
「まぁ、フォームは綺麗でしたよ」
「璃亜、お前ダンク出来んのか?跳んでみそ?」
跡部のせいで俺に大人しく頭を撫でられていた璃亜がバッと離れて行ってしまう。
でも、まぁ…あんな璃亜が見れた訳じゃし。それにトランプん時も思ったが璃亜は、別に俺を嫌ってる訳じゃないようだし。
それがわかっただけいい。
理由は、知らんが今は俺と氷帝の奴等と同じ様に接してくれるみたいじゃし。
「ふふふ…さっきから随分と嬉しそうじゃないか。仁王のそんな顔を見るのは初めてかな?」
「からかうじゃなか」
「そんなつもりは、ないんだけどな。でも俺は、璃亜の嬉しそうな顔や仁王のそういう顔を見られて嬉しいよ」
「もうやめんしゃい」
「ふふふ…なんだか今日の仁王は可愛いね」
これだから幸村は、嫌なんじゃ。すぐにからかうんじゃから。まぁ、俺も人の事は言えんけど。
そんな事を思いつつも、幸村が嬉しそうに笑っているのは嫌いじゃない。まぁ、からかわれるんは、大嫌いじゃが。
「ちょっとー!幸村くんと仁王もやろうよー!」
「ふふふ…璃亜が別人みたいだね。わかった、今行くよ」
「立海に戻ってもあのままだったらいいんじゃがな」
「まぁ、それは俺等次第なんじゃないかな…ふふふ」
また難しい事をいう。
まぁ、どう考えても璃亜が悪い要素はないから当たり前なんじゃが。
そんな事を考えながら早く早く!と叫んでいる璃亜の元へ向かった。
相変わらず、表情は明るくて立海での仏頂面が嘘のようだ。
「はーい!チーム分けるよ!あたしが審判やるから」
「でも人数合わないですよ?バスケって5人ですよね?」
「うん。公式はそうだけど遊びでやるんだし気にしない気にしない!」
「まぁ、璃亜がいいっつーなら俺等は構わねぇけど」
「うん、璃亜に任せるよ」
そしてどうやら璃亜の提案で試合をやるらしい。て言うか、ホントに仲が良いのぅ。今日知り合ったとは思えんくらいじゃき。
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