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す、すいません!そんな困惑した顔であたしを見ないで下さい!本当に迷ってるんです!
しかもよく見たらなんか赤髪の人怖いんだけど!髪の毛おっ立ってんだけど!めっちゃ睨まれてんだけど!
「さ、さーせんした!頑張って帰ります!マジでさーせんした!!」
「あ、ちょっと待って」
「な、なんですか?」
「ふふ、そんなに怖がらなくても大丈夫だよ。えーと、君はどこに向かいたいの?」
「えっ?………わ、わからないッス」
「・・・・・」
「・・・・・」
イヤァァァ!そんな顔しないでー!!だってここがどこかもわからないし、部屋の名前とかもわからないし!
アレか?コーチ達がいる場所を聞けばいいのか?そうすればどうにかなるんじゃない?いや、もうそれしかなかろう!
とりあえず、コーチ達がいる場所に行きたいです…と言うと、何故かクリーム色の髪の人がクスクスと笑い出した。
「ふふ、コーチ達のいるところでいいのね?口で説明してわかるかい?」
「すんません…わからないです」
「…まぁ、わかってたらこんなところにいねぇだろうしな。連れてってやるからついて来い」
「本当すんません。なんかもう…本当にすんません」
「ふふ、気にしないで。じゃあ行こうか」
「あ、はい…お願いします」
クッソ!こんな事になるなら、我慢してでもあの4人と一緒にいればよかった。マジで泣きたい!!
とりあえず、赤髪さんとクリームさんに素直について行く。ていうか、この2人はなんでここにいるんだろう?合宿はまだだろうし…アレかな?なんか別のコーチとか?
いや、でもそれならあたしの事を知ってても良さそうだし。うーん…アレか?あたしと同じで審査テスト受けに来た人とか?いや、それはどう見てもないな。
そんな事を考えながら2人の後ろを歩いているとクリームさんが急に振り返りニコリと笑った。
「そういえば、名前を聞いてなかったね。僕は、入江奏多。こっちは」
「鬼十次郎だ」
「えっ…あ、楠木璃亜です」
「あ、やっぱり君があの璃亜ちゃんか。修さんと毛利くんから話は聞いてるよ」
「あの種ヶ島から1ポイント取ったっていう話だったな」
「ふふふ、修さんが珍しく興奮してたからね。でも、まさかこんな華奢な女の子だとは思わなかったよ」
「い、いや…あれはまぐれというか…あの人が油断してたというか…」
どうやら、この2人は毛利さんやチャラチャラと知り合いらしい。しかもあたしの事を勝手に話してるらしいし、マジでやめていただきたい。
でもあたしが病気な事とかは、詳しく知らないみたいでちょっとビックリした。いや、まぁ…普通に知ってたら困るけど。
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