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あたしの発言に心底呆れた様な顔をする跡部くんだったが、まぁ程々にしとけとまた頭をぽんぽんとされた。
「おっ、みっけ!璃亜〜!」
「へっ?っ…ぬわぁっ!?」
「遅れてすまんな、時間間違えとって。ほんで、毛利と打ったんやと?」
「え、あっ…はい。つーか、離して下さい。あと、近いッス」
「なんや、この間は敬語使ってへんかったのに」
「いや、使ってましたけど?あたしなりに」
「まぁ、ええわ。なぁ、時間あるんやろ?俺と打たへん?」
そしていきなり現れた上にあたしに飛び付いて来て、訳のわからない事を言っているこのチャラチャラを誰かどうにかして下さい。
ちょっと跡部くん、なにビックリしたまま固まってんだ。早く助けろ。
そして精市と毛利さんは、怖いからそんな勢いよく走って来ないで頂きたい。君達は、ずっとそこで意味のわからないニコニコ合戦してなよ。
「ちょ、修さん!璃亜の事、離してやぁ!」
「お、毛利と部長さんやんけ」
「…璃亜を離してくれませんかね?」
「跡部くん、へるぷーみー!この3人面倒臭いっ!!」
「璃亜が俺様に助けをっ…!?任せろ俺様がっ…」
「結果、跡部くんも面倒くせぇな!まともヤツは、いねぇのかよ!!」
もうやだ、こいつ等…。
とりあえず、チャラチャラさんを毛利さんが剥がしてくれたからもういいや。
あたしは、適当に施設を回ろうそうしよう。君達4人は、仲良く訳のわからない言い合いをしててくれ。
そして騒がしくなんか言い合いをしている4人から逃げる様にその場から離れた。
―――
――――
―――――
そ、それにしても敷地広いな。
これはちょっと合宿が不安だなぁ…普通に迷いそう。いや、もう現在進行形で迷ってるんですけどね!ここどこですかね!?
携帯とか更衣室に置き放しなんだけど!早苗ー!助けてー!あたしを迎えに来てー!!
そんなあたしの心の叫びが届くはずもなく、トボトボと闇雲に歩く事約10分…もう心が折れそうだ。
そして適当に入ったこの建物なんだけど…無駄に広過ぎだろ!それと同じような廊下ばっかで、もはやずっと同じ場所歩いてる気分だよ!!もう階段を見付けて下りよう!とりあえず、下りよう!
「…あれ?女の子?」
「…へっ?」
「そういや、今日はマネージャーの審査テストがあるとかコーチ達が言ってたな」
「あぁ、そう言えば言ってたね。でもなんでここに?」
「さぁな。お前、なんでこんなところにいるんだ?」
「た、助けて下さい!迷いました!!!」
「・・・・・」
「・・・・・」
とりあえず、この人達が誰なのかわからないけどこのままだとマジで戻れないと悟ったあたしは、全力で頭を下げた。
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