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璃亜の身体検査の結果や合宿中の対処の仕方を氷室先生から事細かに説明してもらっている間に、軽い体力測定が終わったらしく璃亜がコートで軽く打っているとの事で3人でコートに向かった。
そしてそこでは、楽しそうに空を舞いながら毛利さんとラリーをしている璃亜がいた。
ふふっ、また腕を上げたなぁ。相変わらず、パワー不足みたいだけど。
「相変わらず、すげぇ動きしてるな」
「ふふ、璃亜だからね。さすがにまだ赤也にも勝てないけど、ポイントは取るからね」
「やっぱり、たまに一緒に打ったりしてたのか?」
「うん、よく仁王と丸井と赤也と打ってるよ。大体は、負けてキーキー言いながら帰って来るけど」
「ふふ、でも最近の璃亜は本当に上手くなったって仁王くんや丸井くんが言ってたわ」
「元から才能はあったみてぇだしな。しかし、あの喧しさはどうにかなんねぇのか」
「え、それ跡部が言うの?」
どう考えても璃亜が不利で毛利さんは全然余裕そうにボールを捌いている。
でも時々、璃亜が思いもよらない返球をして、それを毛利さんがギリギリで返す度に璃亜がざまぁみろだの取ってんじゃねぇ!!とか叫んでる。
相変わらず、口は悪いけど…凄く楽しそうだな。
そんな事を思いながら、璃亜と毛利さんのラリーを見ているコーチ達の元に向かう。
「おや、氷室先生からのお話は終わったみたいですね」
「それはそうと、羽川さん…少し聞いてもいいですか?」
「…はい、なんでしょうか」
「彼女、楠木さんは…オーラというものを使うと聞きましたが。彼女は、以前バスケをしていたという事ですし…あのオーラで間違いはないですね?」
「はい、バスケ界で言われていたオーラで間違いないです。しかし、それがなにか?」
「ほぅ、こりゃまた凄いのを見付けて来たな。病気じゃなかったら俺が直々に鍛えてやったってのに」
黒部コーチのバスケという言葉に羽川の顔が少しだけ歪むが、すぐに質問に答えた。
というか、オーラの事まで知ってるんだ。しかもバスケ界でっていうくらいだから…やっぱりそのオーラを扱える璃亜は、凄い選手だったんだろうな。
しかも病気になる前だから小学生の頃だろうし。
「…なるほど。齋藤コーチ、ラリーを止めて下さい」
「ん、わかった。はーい!毛利くんと楠木さーん、もういいですよー」
「本当に勿体ねぇ逸材だな」
「えぇ、しかしこうしてテニスに興味を持ってくれたのは喜ばしい事です」
そして齋藤コーチに声にピタリと動きを止めた璃亜と毛利さんは、なにやらギャーギャーと騒ぎながらこっちに向かって来た。
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