百聞は一見に如かず (1/4)
ふえーい!無事(?)に審査テストは終わりました。
結果は、身体検査と体力測定をやってる内に出るらしいので氷室先生に診察してもらって身体検査を終えて…今は、体力測定なうです。
「では、まずは基本的な測定をしてもらいます」
「了解ッス」
「じゃあこっちに来てねぇ。まぁ、軽いものばっかりだから大丈夫だとは思うけどなにかあったら言ってねぇ?」
「了解ッス」
「…そんなに構えなくていいですよ。やり難いのでしたら私達は、席を外しますが」
「い、いやっ…!体力測定とか久し振りでちょっとワクワクしてるだけッス!」
「・・・・・」
「・・・・・」
「ぶっ…はははっ、毛利くんや種ヶ島くんが言ってた通りで面白い子だねぇ」
そんな事を言いいながら眉毛を下げて笑っているこの長身の人は、齋藤コーチ。どうやら精神面のコーチを担当しているらしく、なんか掴み所のない人だ。
そしてそんな齋藤コーチを呆れた様な気にしてない様な、無表情に近い顔をしてあたしを見ているのか黒部コーチ。戦略がなんちゃらかんちゃらコーチって言ってた。
そんな2人はどうでもいいと言わんばかりになんかダンベル?をやりながらあたしを見ているのがマッチョ過ぎる柘植コーチ。筋トレコーチ的な…なんかもっと違う呼び方だった気がするけど筋トレコーチの方がしっくりくる。
ちなみに今日、あたしに付き添ってくれたのは早苗と精市の2人と跡部くんだ。
まぁ、その3人はまだ氷室先生となんか話してるみたいでまだこの部屋には来てない。
いや、別にいいんだけどさ。
あたしの体力測定だし。
そして指示をされた通りに軽く体力測定を済ませた後は、外に出て軽く打って貰いますとラケットとジャージを渡された。
「試合でもするんスか?」
「まさか。軽く打ってるところを見せて貰いたいだけですよ」
「そんなんでなんかわかるんスか?」
「百聞は一見に如かずという事だ」
「相手は、こっちで選ばせて貰ったけどねぇ。じゃあ着替えが終わったら来てね」
「了解ッス」
んんー?百聞は一見に如かず?
いや、あたしはそんな大したもんじゃないんだけどなぁ。どうせ、もじゃもじゃとチャラチャラがある事ない事を増々で盛りに盛ったんだろう。
やめろよ、ただのマネージャーになにをそんなに期待しているんだ!
そんな事を考えながら、渡された新品のジャージに着替えて渡されたラケットを抱えて言われた通りの場所に向かった。
いや、向かうもなにもすぐそこなんだけどさ。
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