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んで、あたしと赤也は仲直り(?)したんだけどさ。あたしよりも問題を抱えてるヤツがいる訳で…
とりあえず、いつもなら昼休みになったらすぐに屋上に向かうんだけど…今日は1年の教室に突撃しに来た。
そしたら、まぁ…大人しく椅子に座ってうつ向いてるひじきさんを発見した。
あたしが来た事に周りがザワザワしてるが気付いてないのか、気にしてないのかうつ向いたままの赤也に溜め息を吐きつつ、ゆっくりと教室に入る。
「なにしてんの?」
「っ!!え、あっ…璃亜先輩!?え、な、なんで!」
「あ?赤也を迎えに来た。おら、屋上行くぞ」
「…なっ、い、いやッス!俺、丸井先輩に屋上来んなって…言われた…し」
「いいからおいで。それともあたしとは嫌だってか」
「なっ、嫌じゃないッスよ…むしろ、嬉しいッスけど!で、でも…」
「ならおいで。ほれ、今日の璃亜さんは優しいから手繋いでもいいぞ〜」
「っ!行くッス!」
「…ちょろ過ぎかよ」
いやぁ、柳くんのいう通り過ぎてやべぇ。そしてあたしは、赤也の将来がちょっと心配です。
ちなみにブン太が赤也に屋上に来んなって言ったから赤也が屋上に来ないと思うんだけど、どうしたら来ると思う?って聞いたら、あたしが迎えに行って手でも引いてやれば付いて来るだろうとの事だった。
その内、赤也が誘拐されそうで心配になるんですが。
そして赤也の手を引いて屋上に着いた訳だが、赤也がちょっと不安そうな顔をしてたので頭をわしゃわしゃ撫でてドアを開けた。
「うむ、随分と早かったな」
「あたしは、赤也が心配になったよ」
「大丈夫よ、璃亜も大して変わらないから」
「なんでや!璃亜さんしっかり者やぞ!」
「なんか寝言が聞こえたぜよ。歩きながら寝るのはやめんしゃい」
「仁王、シバく」
とりあえず、ふざけた事を抜かしてる仁王を蹴って退かして、そこに赤也と一緒に座る。
しかし、赤也はうつ向いたままあたしの手を握る力を強めると隠れるようにあたしに寄ってくる。
おう、立場が逆だろ!お前は、女か!
そして更には、目の前には気まずそうな顔をして菓子パンを食べてるブン太にイラッとする。
「おら、さっさと仲直りしろよ。なんだ?あたしのせっかくの好意を無駄にするのか?」
「た、頼んでねぇだっ…」
「丸井先輩っ…すんませんっ!お、俺が悪いんス…俺がガキだからっ…」
「あぁ、やっぱり赤也はいい子だなぁ。よしよし、今日は甘やかしてやろう」
「璃亜せんぱいっ…!!」
「ブンちゃんも素直になりんしゃい」
「…ブン太、元はお前の言い方が悪いんだぞ」
素直に謝った赤也に対してまだ意地を張っているブン太は、不貞腐れた顔をしてゆっくりと別に気にしてねぇしとか言い出したので、仁王の髪留めを奪ってそれを顔面に打ち込んでやった。
こいつ、謝らねぇのかよ!
そして赤也には、よく謝ったなとあたしのおかずをちょっと分けてやった。
(いってぇ!?なにすんだよぃ!)
(あ?うっせぇ、喋んな)
(うむ、これは丸井が悪いな)
(丸井は、いい加減に素直になりなよ)
(あたし、ありがとうとごめんなさい言えないヤツ嫌いだから)
(…これは、またバッサリいったな)
(ブンちゃん、バカ過ぎナリ)
(っ…おい、赤也!)
(え、は、はいッス…)
(い、言い過ぎた、ごめんな)
(…へへ、いいッス!俺も偉そうな事言っちゃったんで)
(…赤也、お前は本当にいい子だな。これもやろう)
(え、わーい!美味いッス!)
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