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あたしに背中を向けて膝を抱えたままボーッとしてるのか、あたしが近付いても全く気付いてない赤也にだーれだの要領で後ろから目を隠す。
「・・・・・」
「いや、なんか反応しろよ」
「…なん、スか」
「ハァ…そんなにあたしと話すのが嫌か。まぁ、話したくないならいいけどあたしの話を聞け」
「・・・・・」
「あたしは、赤也がなんで怒ってるのかを考えたけどわかんなかった。だから謝れないし、謝りたくもない。まぁ、そんだけ」
だから、こいつから話してくんなきゃなんもわかんない。まぁ、話す気がないみたいだし、もうあたしにはどうにも出来ん。
とりあえず、あたしが思ってる事は言ったし戻ろ。むしろ、ブン太のバカとちょっと話をしよう。あいつは、もう少し言葉を選ぶべき!いや、マジで。
ゆっくりと立ち上がり、そのまま赤也を置いて立ち去ろうとしたら後ろから腕を掴まれて、足を止めた。
「……………」
「……………」
いや、だからなんか言えよ。
それにあたしは気が短いんだ、なにも言わねぇならその手を離せ。
確かに、赤也からしたらあたしが悪い事をしたのかもしれないが、いい加減にあたしもキレるぞ?
さすがに我慢出来ず、ゆっくりと振り返るとそこにはうつ向いたまま何故か泣いてる赤也がいました。
もう本当に意味がわからないよ。なんで泣いてんだよ。てか、お前の涙腺大丈夫か?色々と脆すぎだろ。
「っ、璃亜先輩…すぐ無茶するからっ…」
「お、おう…」
「前の合宿でも無茶して倒れたり…怪我ばっかするしっ、仁王先輩助けた時も…俺が一緒に行ってたら怪我しなかったのに…」
「あぁ、まだ気にしてたの」
「それにっ…マネージャーでも大変なのに…選手で練習なんてしたら、また無茶するじゃないッスか…」
お、おぉ…なんか早苗並の心配性を発症させてるな。いや、まぁ…確かに赤也の言ってる事は間違ってないんだよなぁ。
合宿で倒れたし、怪我したし。
仁王のは、まぁ…あたしの独断だけど赤也からしたらあたしを一人で行かせたのを後悔してるんだろう。
んで、前の合宿でも大変だったのに選手で練習なんかしたら…って、そりゃあそうか。
グズグズと鼻水を啜ってる赤也の頭をわしゃわしゃと撫でる。
「赤也、ごめんね。正直、そんなに心配してるとは思ってなかったわ」
「俺、またなんかあったら…って思ったら怖いッス…」
「いや、もうないから…大丈夫だって」
「っ、璃亜先輩の大丈夫は信用しないッス!ダメって言っても絶対無理するし!だからっ…」
「お、おう…せやなっ…ぬお!?」
「…合宿来て欲しいけど来てほしくないんスよ」
溜め込んでいたせいか赤也のマシンガントークに圧倒されていたら、急に赤也が抱き付いて来てちょっとよろけた。
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