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ちなみに身体検査は、また後日こちらから連絡をするとかなんとかでまだしてない。
それに加えて基本的な体力テストとかもするとか言ってた。ヤバい、それは色んな意味で自信ない。
「ほら、そんな顔してないでボール拾え」
「っ…やっぱり、反対ッス!」
「もう返事しちゃったんだから、今更やっぱり嫌ですとか有り得ないだろ」
「璃亜先輩も先輩達もっ…なんでそんな余裕なんスか!」
「…は?」
「…もういいッス。先輩達に俺の気持ちなんてわからないッスよ。後は俺一人でやるんで戻っていいッスよ」
…意味がわからない。
バッとあたしの近くにあったカゴを持つとスタスタとあたしから離れてボールを拾う赤也に言葉を失う。
そんなに反対してた事にも驚きだが、なにをそんなに怒ってるのかがわからない。
とりあえず、赤也から早くあっちに行けと言わんばかりのオーラが出ているのでちょっと腹が立ちつつもゆっくりと立ち上がりベンチに向かう。
「あれ、ボール拾いは?赤也を見る限り、まだ終わってないみたいだけど」
「なんか赤也にもう戻っていいって言われたから」
「…?赤也に?」
「なんか強化合宿について話してたら、まだ反対してたみたいで急に怒り出したから放って来た」
「…ふーん?赤也が璃亜に怒るなんて珍しいね。ていうか、自分から璃亜を遠ざけるのって初めてじゃない?」
「いつも寄って来てたからね。たまにはいいんじゃない?なんであんなに怒ってんだか知らんけど」
ベンチでみんなに指示を飛ばしていた精市は、少しだけ赤也を気にしていたみたいだけどすぐにまた視線を戻した。
ボール拾いしなくていいなら、空いてるボトル洗って来ようかなぁ。いつもは、ボール拾いの手伝いしてから洗ってたし。
ゆっくりとベンチから立ち上がり、ボトル片付けてくると精市に伝えてからボトルが山積みのカートをガラガラと押した。
んー…それにしても、本当に赤也はなにをあんなに怒ってるんだろうか。
ていうか、強化合宿にそんなにあたしを参加させたくない理由があるのか?今回の合宿は、夏にやった合宿とは違って普通のマネージャーは参加するのも難しい合宿だし、変な輩が参加するとも聞いてない。
だから赤也があんなに心配する必要もなければ、反対する理由もわからない。
それともあれか、あたしが選手として参加なんて図々しい的な感じか?いや、あの赤也だし…それはないか。
でも合宿に来てくれんのは嬉しいとか言ってたし。やっぱりあたしが選手なのがダメなのか?
…うーん、わからん。
そんな事を悶々と考えながらボトルの片付けをした。
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