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暫くして、璃亜の部屋から羽川が戻って来たので羽川の分のお茶を持ってくるとありがとと軽く小首を傾げた。
「それで楠木の様子はどうだったんだ?」
「ん〜私が思ってたより普通だった…って感じかしら。前の璃亜なら多分、色々と考え込んでただろうけれど…」
「それはいい意味でか?」
「えぇ、蓮二や仁王くん達テニス部のみんなと関わって色んな意味で精神的にも落ち着いてるみたいだから」
「うむ、ならよかった。正直、楠木に関しては俺ですらまるで予想が付かないからな」
「ふふ、璃亜は少しズレてるからね。それと強化合宿については、マネージャーとして一応テストは受けるって言ってたわよ」
あぁ、やっぱりそうじゃろうとは思ったが…そういうところで期待を裏切らん辺りが璃亜らしいぜよ。
でも羽川の様子を見る限り、本当に璃亜は大丈夫みたいじゃからそこは一先ず安心じゃな。
それにしても俺等と関わったのが理由で精神的にも落ち着いてるって言うのは、正直よくわからんがな。
むしろ、自分で言うのもあれじゃが…結構負担を掛けとる気もするんじゃが。でも最近は、寝る事は多くても体調は悪くなさそうじゃし…まぁ、羽川が璃亜についての話で嘘を言う事はまずないじゃろうからな。
それに璃亜の病状が少しでもよくなってるんならそれに越した事はないしの。
「うむ、毛利さんに対してはどんな様子だったんだ?さすがに大丈夫そうといってもそれなりに思うところはあっただろう」
「会いたくないのなら無理して合宿に参加する必要はないとは言ったのだけれど、毛利さんに会いたくないとか以前にあたしはマネージャーだからって言ってたわ」
「ふっ、毛利さんよりマネージャーか。相変わらず、素直なヤツだな」
「全く気にしてない訳ではないけれど、今はマネージャーとして合宿に参加したいって言ってたから」
「まぁ、璃亜じゃしな。でも思ってたよりも元気なんじゃな?」
「えぇ、むしろ毛利さん本人の事よりもみんなに毛利さんについて聞かれたりするのが面倒とか言ってたくらいだから」
相変わらず、ズレとるのぅ。まぁ、璃亜が気にしとらんなら無駄に掘り返して聞く必要はないぜよ。
もちろん、全く気にならん訳じゃないが璃亜の口から毛利について話されるのも余り気分がいいもんじゃない。
むしろ、聞きたくない。
璃亜と毛利については、羽川に聞いとるし。それにこれ以上聞いても、いいことは無さそうじゃからな。
そして茶を飲み終わると邪魔してごめんなさいねと俺に軽く頭を下げる羽川と夕飯美味しかったぞとか言ってる参謀に他に言う事はないのかと思いつつも2人を見送った。
※羽川と柳の帰り道
(精市には、どこまで話すべきか悩むな)
(明日には璃亜から話すだろうから、余り話さなくても変わらないんじゃないかしら)
(うむ、それもそうだな)
(私が様子を見に行った事は話せば?)
(あぁ、精市も楠木を心配してたみたいだからな)
(本当に璃亜は、みんなに心配されてばっかりね)
(ふっ、逆もまたしかりだ)
(ふふふ、そうね。璃亜も心配性だからね)
(ふっ、早苗も負けず劣らずの心配性だがな)
(…ん、蓮二だってそうじゃない)
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