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後は、璃亜が言っていた通り卒業式の前日に毛利さんに呼び出されてキスされた…って顔真っ赤にさせながら帰って来て、その後毛利さんは立海からいなかった…っと大体感じかしら。とあらかた話終わったらしく羽川が気になるところがあれば答えるわよ?と続けた。
「…ごめんなさい。みんなにとって、少し複雑な話よね」
「う、うむ…そんな事があったのか」
「つまり、羽川以外に病気について話したのも…心を開いたのも毛利さんが初めてだったって事だよね」
「そういう事になるわね。佐々木くん雨音くんも璃亜から口から話したのだけれど…それは中2になってからだから」
「えっ…璃亜先輩、毛利さんの事が好きだったとかじゃないッスよね…?」
「…どうかしら?璃亜本人が気付いてなかっただけかもしれないけれど…それでも毛利さんがいなくなった事にそれなりにショックを受けてたわよ」
…あぁ、だからあの余裕の笑みだった訳じゃな。お前等より俺の方がこいつを知ってると…見せ付けた訳か。
それに璃亜にしては、拒否の仕方が優しかった。まぁ、キスをされた時は本気の蹴りを食らわせてが…その前に構われてる時も特に嫌がっとる様子じゃなかったからのぅ。
…そんな長い間、全く顔も合わせてなかったヤツなのにあんなにも気を許してる璃亜を見て、何故か酷く毛利に負けた気分じゃ。
「あ、それと…毛利さんはテニス部だったのをずっと璃亜に黙っていたみたいで、私にも璃亜にテニス部だって事は黙ってて欲しいって言われたわ」
「…む、何故だ?確かに、毛利さんは部活に顔を出すのは稀だったが…テニス部の部員だった事に偽りはない」
「…楠木がテニス部を始め、運動部に嫉妬し忌み嫌っていたからだろう」
「えぇ。それと璃亜は知らないんだけれど…よく委員会後の私のところに璃亜の様子を報告しに来たついでだなんて言って委員会の手伝いをしてくれたり…よく面倒を見てもらってたの」
「へぇ…でも正直、想像出来ないね。毛利さんは、部活に顔を出すのは稀だったし何より面倒臭がりやなイメージが強いからね」
「だから璃亜の事は、面倒じゃなかったって事だろぃ?」
「な、なら…なんで璃亜先輩に黙って消えたりしたんスか?」
赤也の言葉に羽川は、ごめんなさい、私にもわからない…と頭を振る。
まぁ…これは俺の勝手な推測じゃが、なにも言わんで璃亜の前から消えたんは璃亜を思っての事じゃろう。
それに璃亜が言っていたが、毛利の言った"決めたから"はきっと立海…璃亜から離れて本格的にテニスをやるという事だったんだろう。
それを璃亜に言わなかったのは、璃亜がテニス部を嫌っていたのもあるじゃろう。じゃが、璃亜に話したらその決心が揺らいでしまうと思ったのが一番の理由だと思う。
それに黙って消えた酷いヤツと璃亜に思わせる為のものでもあったじゃろうしな。まぁ、キスはそれでも璃亜に忘れて欲しくなったからじゃと思うが…
まぁ、俺の勝手な推測じゃけど。
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