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顔を真っ赤にさせた璃亜が一瞬悲しそうな顔したかと思ったら乱暴にカバンを引っ掴むと部室から出て行く。
咄嗟に璃亜を追おうとドアに向かったんじゃが、誰かに腕を掴まれてゆっくりと振り向く。
「あの璃亜は、かちぼかすんが一番さかい。なぁ、羽川?」
「え、えぇ…今行っても喧嘩になるだけだと思うわよ」
「…さっきのキスといい、随分と璃亜の事を知ってるみたいですし、ただの知り合いとは思えないんですが」
「ん〜じゃまくさい。羽川、おしたって。ほな、璃亜もおらんし俺等も帰りません?」
「せやなぁ。ほな、璃亜に強化合宿来るようちゃんと言うとってな?部長さん」
「俺いた意味あったのか?」
「なに言うてんねん、竜次は道案内に必要やろ」
「…勘弁しろし」
そんな会話をしながら俺の脇を通り部室から出て行く3人じゃったが、種ヶ島がほなまた〜と手を振りそれに毛利も便乗する様に手を振りながら意味あり気にニコリと笑みを浮かべるとパタンと部室のドアが閉まった。
静まり返る部室に羽川がすまなそうに口を開く。
「…私でよければ毛利さんと璃亜の関係について話すけれど」
「…しかし、そんな事をしたら早苗が楠木に怒られるんじゃないのか?」
「ん…多分、大丈夫よ。大体はさっき璃亜が暴露してたから」
「そう、じゃあ話してもらえる?俺等には全然話が見えないよ」
「えぇ、わかったわ」
そして羽川がゆっくりと昔を思い出すように話始めた。
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璃亜と毛利さんが知り合ったのは、璃亜が中学1年の頃でその時の璃亜は病気について悩んでいて一番荒れていた時だった。
最初に璃亜達がどんな会話をしたかまでは、聞いていないけれど…余り悪い印象ではなかったらしい。
その時の璃亜は、"変なサボり仲間が出来た"と言いながらも少し嬉しそうだった。
それから璃亜は、毛利さんの話をよくする様になった。毛利さんが関西の方から引っ越して来た事や、璃亜が中庭に行けばいつも毛利さんがいた事。内容はいつも他愛のないものだったけれど、璃亜はそれが楽しかったみたい。
そして一番驚いたのは、璃亜が病気の事を毛利さんに話した事だった。この頃には、佐々木くんや雨音くんと仲良くはなっていたけれど…病気の事は話していなかったから。
璃亜に理由を聞けば、なんか話しても興味持たなさそうだったから?なんて自分でもよくわからないと言っていた。
後で私は毛利さんに"璃亜は、誰かに話したかった"って言うてたで。なんて言われたのだけれど…。
その後も特に毛利さんと璃亜の間になにもなかったけど、璃亜はなんだかんだで毛利さんといるのが好きだったと思う。
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