売上げの代償 (1/4)
ふえ〜ダルい。
なにがダルいって海原祭とかいう謎の行事である。まぁ、簡単に言えば学園祭的な?文化祭的な?いや、もうなんでもいいけどさ。
ちなみにほぼ海原祭の話し合いに参加してなかったせいで、まさかの表方にされてた。絶対にブン太だろ、絶対にあいつが面白がってあたしの名前書いただろ。絶対に許さねぇ。
もちろん、クラスのみんなに迷惑を掛ける訳にはいかないので(しかし話し合いには参加しない)ちゃんと準備とかは手伝ったよ。
そして海原祭1日目。
「マジであたし裏方がやりたい」
「まぁ、確かに璃亜が裏方の方が適役なんだけれど…」
「汁粉作らせろ!団子作らせろ!接客なんてやりたくねぇ!!」
「話し合いに参加してなかった璃亜も悪いんだから、文句言うんじゃないわよ」
「クッソ!あのスイーツお化けめ!あいつこそ接客しろよ!ファンクラブの子達がアホみたいに来るだろうに!」
「あ、仁王くんと璃亜は逃げ出すから教室から出ないでね。まぁ、私と蓮二のどっちかが最低残る様にするけど」
ひ、ひでぇ!!まさにくそったれだぜ!!!ちなみに仁王もあたし同様にブン太に嵌められたらしく、接客担当になっている。
あ、あたし達のクラスは普通の甘味処ね。特になんの特徴もない甘味処だよ。なのに仁王や柳くんのせいで既に長蛇の列が出来てる。
きめぇ!激しく逃げたい!
てか、これあたし接客しなくてもいいんじゃね?仁王と柳くんに任せとけば大丈夫だろ。
「…璃亜だけ逃げるんは許さんナリ」
「うるせぇよ!お前は早く接客して来いよ!あたしは、こんな恐ろしい甘味処は嫌だ!」
「ふっ、大丈夫だ。その内、楠木にもお客が来る」
「不吉な事言わないでくれる!?てか、既にさっきからスマホが震えっぱなしで嫌な予感しかしてねぇから!」
「そろそろ時間だ。お前達には、キッチリ働いてもらうぞ」
そしてブン太がオッケーだぜぃ!なんて調理スペースから顔を出したのを合図にお客さんを案内しろと言わんばかりにあたしと仁王の背中を押す柳くんは、マジで鬼だと思う。
てか、この格好めちゃくちゃ動きにくいんだよ!和のメイド服みたいなやつなんだけどさ、上が浴衣みたいで下がロングスカートみたいなやつ。
ちなみに仁王はただの時代劇とかで出て来る悪役みたいな感じでただただ柄が悪い。そしてそんなにはだけてる接客担当がいるか!
「璃亜ー!ほい、団子と餡蜜!Bテーブルな」
「…へいへい」
「つーか、もっと可愛く接客しろぃ」
「うるせぇ。あたしは、裏方がやりてぇんだよ」
「仕方ねぇな。後で羽川に頼んでやるから午前は頑張って接客しろぃ」
「上から目線マジでムカつく」
「ならずっと接客してろぃ」
「ゆ、許して!璃亜さん、ブン太くんと一緒に汁粉作りたい!!」
「ったく…わかったから早く戻れぃ」
クッソ!クッソ!!
ほら頑張って来いなんて言いながらあたしの頭を撫でるブン太をぶん殴りたいが、午後から裏方に回れるというならば我慢しよう。
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