気付かされた想い (1/4)
「楠木ーっ!待たんかー!!」
「誰が待つもんかーー!」
「この間の小テストはなんだ!こら、逃げるんじゃない!!」
「ぱーどぅん!!」
どうも、こんにちは!璃亜です!
只今、先日あった小テストの事で井上(英語教師)と廊下で壮絶な追い掛けっこ中でございます!ちなみに井上は結構若いのでしつこく追い掛けてくる!つーか、廊下を走んなや!
「今日という今日は、許さん!」
「いつも許してねぇじゃん!この間も課題出したじゃん!マジぱーどぅん」
「答え全部ぱーどぅんにしたバカはどこのどいつだ!」
「ドイツ人?」
「おい、上田!楠木を捕まえてくれ!」
「え、あっ…はい」
「捕まるかボケー!」
「お前は、サーカス団員かなにかか!スカートで跳び跳ねるな!!」
悪いな上田くん!そんなんであたしを捕まえようなんて甘いぜ!!と、華麗に上田くんの肩に手を置いてジャンプして回避する。
フハハハハ!英語の課題をやらなくて済むならパンツなんて気にしないさ!
そしてそろそろ井上も諦めるだろうとか思いつつ、廊下を爆走していると…
「く、桑原!そいつを捕まえろ!お前、テニス部だろ!」
「ぬわっ!?」
「お、俺かよ!って…楠木!?」
「やぁ、ジャッカルくん!しかし、あでゅーっ…うわぁ!」
「悪いな…楠木。さすがに目の前でジャンプされたら捕まえるわ」
「おっ、桑原!でかした!!」
Noooo〜〜っ!!
まさかのジャッカルくんに空中で捕まりました。ジャンプ回避をしようとした結果がこれだよ!
てか、よく考えたらあたしのジャンプ回避はテニス部に通用しないの忘れてた!クッソ!井上め!こっちに来るんじゃない!!
そして肩で息をしながらジャッカルくんに捕まっているあたしの前に来ると小テストの答案を突き出した。
「お前には嫌って程、課題を出してやる!この小テストもやり直しておけ!」
「いやだぷぅ〜」
「課題は島田先生に渡しておく。サボったりしたらテニス部顧問に部活禁止にしてもらうからな!」
「なにそれ聞いてない!テスト頑張ったのに!」
「小テストも頑張らないお前が悪い!あと、授業も受けろ!」
「クッソ!井上の若ハゲ!」
「禿げてねぇよ!桑原、その猛獣の世話頼むぞ」
ガルルルッと井上を威嚇しつつ、あたしの小テストの答案をジャッカルくんに渡すとハァ…疲れたなんて言いながら井上が去っていった。
そしてゆっくりとジャッカルくんが掴んでいたあたしの腕を離すとパシッと答案用紙であたしの頭を軽く叩いた。
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