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やっぱり跡部くんには、頭が上がらないなぁ…なんて思いながら必死に涙を堪える。
「俺様は、お前が元気でバカみてぇに笑っててくれりゃあそれでいいんだよ」
「跡部くん…マジで、やめて」
「アーン?俺様に惚れたか?」
「ちょ、台無しだよ」
…跡部くんマジでなんなの。
凄い嬉しかったし、ドキッとしたのにこの残念な感じ。あたしのドキッを返してほしい。
でもなんで泣きそうな顔してんだよアーン?なんて言いながら軽くあたしの頬に触れる跡部くんの目が優しくてやっぱりドキッとした。
ていうか、顔が近い。
相変わらず、睫毛なげぇし…肌クソ綺麗だし、なんなのこの人。人間なの?人形なんじゃねぇの?なにそれ怖い。
「…アーン?なにをそんなに見つめてやがる。お前は、本当に無防備だな」
「いや、作り物なのかなって」
「…アーン?」
「余りにも跡部くんが綺麗過ぎて、実は作り物なんじゃないかと…」
「それは、誉めてんのか貶してんのかどっちなんだよ」
「誉めてるに決まってんだろ!なんだその美貌!さすがキングってか!クッソ!羨ましいな、おい!」
「アーン?俺様は、璃亜の顔好きだぜ?」
「…あ、跡部くんシャーラップ!!!」
な、なにこのキング!!
サラッと恥ずかしいこと言うのやめてくんねぇかな!?い、いや…そりゃあ中の下(願望)くらいで普通の顔だとは思う…まぁ、ギリギリ見られるレベルだけど。
それに跡部くんってからかってんのか本気なのかがわからないからやだ!マジで恥ずかしい!この人、恥ずかしいよ!!
しかし、そんなあたしの気持ちもお構い無しの跡部くんはブーツ脱いだならちょうどいいなとか言って、あたしを膝に乗せた。
やっぱりこの人恥ずかしいよ!バカなんじゃねぇの!!
「ちょ、なにしてんだし!」
「お前、ちゃんと飯食ってんのか?」
「普通に食べてるよ!てか、話を聞け!」
「アーン?相変わらず、璃亜は軽いし細いな」
「…ぬはぁっ!やめて!触らないで!擽ったい!」
「なんて声出してやがる。…これか、例のガラスで大怪我したってのは」
ススーッと袖を捲ると未だに治りきっていない傷が現れる。さすがに包帯は外しているが、まだ人様に見せられる様な状態ではない。
痛みこそないが見た目がなかなか酷い事になっている。痕が残らないようにと特殊なテープが無数に貼ってあるし、傷が深いものは特に見れたもんじゃない。
そんな腕を見た跡部くんは、眉間にシワを寄せつつゆっくりと撫でる様にして腕に触れる。
正直、擽ったくて仕方がないけど…跡部くんの顔が余りにも真剣だったので我慢した。
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