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羽川と参謀に璃亜を頼むなんて言われたが…実際、なんも出来とらん。むしろ、なんで来たのかもよくわからん。


「よかったら仁王くんが璃亜の迎えに行ってくれないかな?」

「なんでじゃ?なら羽川が行った方がいいんじゃなか?」

「私が行きたいのは、山々なんだけど…私が行ったら意味がないから」

「それに楠木は、多少ではあるがお前を信用し始めている。あの事件での…吊り橋効果というところだな」

「意味がわからんぜよ」

「あの子、病気を知ってるみんなに気を使ってるから…。それに仁王くんは、璃亜が荒れてるの見てるし。何かあった時に止められると思って」

「まぁ、そんな事が起こる確率は低いが…念には念をだ。楠木の行動は、予測不可能でな」



……まぁ、確かに予測不可能な事を現在進行形でしてるしの。羽川と参謀の言ってた通りなんじゃが…だからと言って俺がどうこう出来る事じゃなか。

真田に変装してたのを気付いてくれたんは、少しばかり嬉しかったんじゃが。

今じゃ俺がいるのも忘れてるんじゃないかと思うくらい俺を気にしてない様子じゃ。



「…仁王?どうかした?」

「あ、あぁ…なんでもないぜよ」

「……まぁ、いい。それで仁王も行くかい?俺は、一応行くけど」

「あぁ、一人でいてもあれだしの」

「今は、飯食ったばっかりだからな。食休みしてから連れてってやる。お前等もちゃんと休んでからだぞ、勝手に行くなよ」



相変わらず、璃亜と騒いでいる氷帝レギュラーにそう言うと俺と幸村を見て鼻で笑うとグラスに入った飲み物を飲み干すとまた口を開く。



「随分と湿気た面してんじゃねぇか、あーん?そんなに心配かよ」

「別にそんな事ないぜよ」

「そのわりには、璃亜が起きるまで部屋にいたし、ヤケに璃亜を気にしてるみてぇじゃねぇか」

「羽川と参謀に頼まれただけじゃ」

「ハッ、まぁいい。とりあえず、俺は先に戻る。何かあればその辺の奴に言え」



そう言い残しスタスタと部屋から出て行く跡部を見送る。幸村が俺になんか言いたそうな顔をしていたが口を開くことはなかった。

そして暫くして、氷帝レギュラーがもう行くかー!とやっと食事を終えたらしく席を立つと璃亜を連れて部屋から出て行こうとしたが急に璃亜が戻って来て俺と幸村に一緒に行かないの?と頭を傾げた。




(あぁ、俺等も行くよ)
(じゃあ行こうよ。仁王あんた大丈夫?)
(…ん、なにがじゃ?)
(なんかいつもより変だから)
(変とは失礼なヤツじゃな)
(まぁ、いいや。来るなら早く来なよ)
(お前さんは、本当に元気じゃな)
(ん?まぁね〜)


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