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とりあえず、赤也からのお願いを聞いたあたしとジャッカルくんはパイ投げ大会が終わり赤也宅のシャワーを借りた後、それを実行なうである。

いや、正直よくわからないんだけど。

"適当に理由付けて璃亜先輩にちょっと戻って来て欲しいんスけど…"

との事なのでみんなと一緒に帰っている途中、あたしが忘れ物をしたということで赤也ん家に戻る作戦である。

ちなみにジャッカルくんは、みんながあたしに付いて来ないようにするのが役目である。

そして無事に赤也宅に戻って来たので、ジャッカルくんと赤也にメールでミッションクリア!と送った。



「璃亜せんぱいっ!!」

「出て来んのはえーな!」

「送って行くッス!」

「は?今来たのに!?え、なんなの?どういう事なの!?」

「ちょっとだけでもいいから、璃亜先輩と一緒にいたかったんス!」

「お、おう?なんかよくわからんが…赤也の好きにしてくれ」

「あ、寒いならこれ羽織って下さい!」



そう言いながら、差し出したのは赤也の上着だった。確かに、もう夜だし寒くないと言ったら嘘になるので素直に受け取ると、何故か嬉しそうに笑う赤也にちょっと戸惑う。

な、なんだ?なんか赤也が変な気がするが…どうした。

じゃあ送るッスね!とあたしの手を握る赤也にちょっと驚きつつ、ゆっくりと歩き出す。



「せんぱい、眠くないッスか?」

「別に眠くないけど。てか、いくらあたしでも歩きながらは寝ないから」

「ならいいんスけど」

「てか、なんか話があったんじゃないの?」

「だーかーらー、璃亜先輩と一緒にいたかっただけッスよ」

「いや、部活からずっと一緒にいたんですが…それは」

「違うッスよ!璃亜先輩と2人って事ッスよ」



あぁ、そういう事か。
いや、でも2人になりたかったって事はなんか話があったんじゃないのか?でも話がある訳じゃないみたいな事を言ってたし。

まぁ、よくわからないけどなんか赤也が嬉しそうなので放っておこう。

それにしても早いなぁ、もう10月になるのか。最近、ちょっと寒いな〜って感じる事が増えて来たし。秋も冬も嫌いじゃないけど、やっぱり寒いのは嫌だなぁ。



「赤也は、冬好き?」

「え?特に好きって訳じゃないッスけど、嫌いでもないッス」

「赤也は夏が好きそうだよねー。夏休みがあるからって理由で」

「な、なんでわかったんスか!てか、璃亜先輩は冬嫌いなんスか?寒いし」

「寒いのは嫌だし苦手だけど、実は季節の中だと冬は一番好きなんだよね」

「え、マジッスか?」



まぁ、寒いのがダメなのを知ってる人からしたらあたしが冬を嫌いなんだと思ってるだろうなぁ。


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