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そして第2ラウンドが始まったのであった。
「璃亜、テメェ!!」
「クリームだぞ!喜べよ!」
「これ味しねぇし!璃亜が作ったケーキ寄越せぃ!」
「贅沢言ってんじゃねぇ!!」
「ホールで許してやる!」
「なんでお前が上から目線なんだよ!作んねぇよ!バーカ!」
「あいつ等は、いつも訳わかんねぇ言い合いしてんな」
「今日は俺の誕生日なのに、なんで丸井先輩がケーキ催促してるんスか」
「ブンちゃんじゃからな」
こいつ、マジで容赦ねぇな!
さっきから全力でパイを投げて来るブン太は、もはや顔面パイ投げマシーンである。
とりあえず、近くにいた仁王の背中に隠れたら見事に仁王の顔面にパイが当たったらしく、ブン太のあ、やべっ…という声が聞こえた。
そして更に近くにいた精市にもクリームが飛んだらしく、ゆっくりと精市が笑いながら立ち上がった。
あ、これブン太死んだな。
「…ブンちゃん、コントロールがなっとらんぜよ」
「ふふ、俺に飛ばすとはいい度胸だね」
「ち、違うって!隠れた璃亜が悪いだろぃ!」
「知らんぜよ」
「え?なに?よく聞こえなかったや」
「ブン太ざまぁ!」
「ちょ…璃亜、テメェ!!!」
そして仁王と精市に追い掛け回されてるブン太を笑いつつ、赤也とジャッカルくんの元に向かう。
ちなみに弦ちゃんと柳生くんは、ブン太達の様子を微笑ましそうに見ている。つまり、ブン太を助ける気はないらしい。
とりあえず、軽くブン太にやられたクリームを払いながら赤也の頭をワシャワシャと撫でると頭に?を浮かべながら赤也が頭を傾げる。
思ってた以上に顔面クリームだらけだな、おい。
「さすがにプレゼントがこれ(パイ投げ)っていうのは、あんまりだから後でケーキ作ってあげるよ」
「マ、マジッスか!?」
「おん。なにケーキがいい?」
「チョコ!チョコケーキがいいッス!」
「ん、わかった。それと今ならこの優しい璃亜さんとジャッカルくんが1つだけお願いを聞いてやろう」
「おい、俺もかよ!」
たまたま近くにいたジャッカルくんを道連れにしつつ、赤也にそう言うといいんスか!?と赤也が嬉しそうに笑う。
おぉ、随分と嬉しそうだな。
そしてあんまり無茶な事は言うなよ?とか言いながらも付き合ってくれるジャッカルくんは、マジで優しい。
ていうか、さっきからブン太達がマジでうるせぇんだけど。いや、ブン太は自業自得だから別にいいけど。
もう時間も時間なんだからもう少し静かにしたまえ。
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