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そしてやっと課題が終わった訳で、軽く真田くんに目を通してもらい。どうやら大丈夫みたいで、よくやった!と頭をポンッと撫でられた。



「じゃあ提出してくるからね!先に部活行ってていいよ!」

「いや、着いて行こう」

「すぐにあたしも行くから大丈夫だって!付き合ってくれて、本当にありがとね!」

「楠木、待たんか!」

「ちょ、名前呼びはどこにいった!」

「むっ…!お、おい、廊下は走るな!それと下駄箱で待っているぞ!」



いや、待たなくていいのに!と思いつつダッシュで職員室に向かう。そして島ちゃんにお届け物でーす!と課題のプリントを渡すとノートで頭をポンッと叩かれた。

島ちゃん、コーヒー臭い。
やめて、あたしコーヒーの匂い苦手なんだ!引き留めないでくれ!!

しかし、そんなあたしの願いも空しくちょっと待ってろと言われ、大人しく待つ。

パラパラと軽くプリントに目を通している島ちゃんだが、あたしは死にそうである。



「さすがに真田に教えて貰っただけあって、全部同じ答えとかふざけたりしてねぇな。って、なにハァハァしてんだお前」

「コーヒー臭い。鼻で息したら死ぬ」

「あぁ、さっき淹れたばっかりだからな。いい香りなのに、まだまだお子ちゃまだな」

「なら、島ちゃんは若作りなおっさんじゃん」

「お?課題出して欲しいのか?」

「よっ、イケメン教師!日本一!!」

「ま、これに懲りたらあんまりサボんなよ」

「懲りたけど、多分サボる」

「お前は、素直過ぎか」



そしてじゃあねー!と島ちゃんに手を振ってダッシュで職員室を出て行く。なんか生徒指導の先生が退室の挨拶はどうした!とかなんか言ってたので、既に廊下に出ていたが失礼しましたーと叫びつつ下駄箱に急いだ。

そして後少しで下駄箱と言うところで、あたしを待っているであろう真田くんが壁に寄り掛かっているのが見えた。

マジで待ってるし!!
待たせる訳にはいかないとダッシュするあたしに真田くんが気付いて走るな!とか言っているが今更止まる訳もなく走っていると…

ツルッとまさにツルッとバナナの皮でも踏んだんじゃないかと思うくらい華麗に滑った。

う、受け身を取れーーっ!!

とか思いつつもダッシュしていたせいで制御出来ず、凄い勢いで後ろに引っくり返る…はずだったのだが…



「璃亜っ!!」

「うわぁっ…!」

「こ、このたわけが!!だから走るなと言っただろうが!」



どうやら、真田くんがあたしが引っくり返る前に抱き抱えてくれたらしく頭を打たずに済んだみたいだ。しかし、目の前の真田くんは激おこである。

しかも咄嗟に名前を呼ばれてちょっとドキッとしたのは、秘密である。



「璃亜!聞いとるのか!!」

「聞いてるよ、弦ちゃん!助けてくれてありがとう!今日は、助けて貰ってばっかりだな…」

「っ!?な、なん…げ、弦ちゃん?」

「真田くんは今日から弦ちゃんになった。嫌なら真田くんに戻す」

「い、嫌では…ないが…璃亜が呼びたいのなら、それで…か、構わぬ!」

「あ、弦ちゃん照れてる?」

「て、照れてなどいない!!それより、廊下は走るなとあれほど言っただろうが!」



そして真田くん改め弦ちゃんに説教されながら部活に向かったのであった。

ちなみに慣れるまでとりあえず、弦ちゃんを語尾に付けてたらふざけているのか!って怒られた。

失礼だな、あたしは大真面目だよ。




※部活の休憩中
(弦ちゃん弦ちゃん弦ちゃん!ドリンク、はい!)
(な、何度も呼ぶでない!!)
(必死に慣れようとしてんのに)
(心の中で呼べばよかろう!!)
(・・・・・・(ジィーー))
(くっ…そ、そんなに、み、見つめるな!)
(弦ちゃん、マジでワガママなんだけど)
(は?真田を弦ちゃん呼びとかなにがあったの)
(色々だよ色々!ね、弦ちゃん!)
(う、うむ…)
(ふーん…ちょっと次、真田コート入りなよ)
(むっ…?璃亜、羽川が呼んでいるぞ)
(はぁ?なんで璃亜を名前で呼んでんの?)
(うむ、精市少し落ち着け)

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