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そしてそろそろ課題が終わるといったところで、真田くんが不意に話し掛けてきて思わず顔を上げると何故か顔が赤い真田くんがいて頭を傾げる。
熱?もしかして具合悪いのかな?
「どうしたの?」
「う、うむ…楠木はやはり名前で呼ばれる方が嬉しいのか?」
「へ?」
「佐々木にな、いつまで楠木呼びなんだと言われてな」
「那由が?まぁ、確かに仲良い人に名前呼びされて嫌な気はしないけど」
「お、俺も名前で呼んだ方がいいのか?」
「いや、別に無理しなくても」
ていうか、那由は真田くんになにを吹き込んでいるんだ!いや、確かに真田くんに名前呼びされるのは嫌ではないけどさ?強制するものじゃないでしょ。
ちなみに仁王とブン太に関してはあたしがやめろと言ったのに勝手に名前呼びしてたけどな!
そして名前呼びについて話すだけで顔赤くするとか謙也かよ!いや、あたしは別にどっちでもいいんだけどね。
「う、うむ…し、しかし…」
「いや、そんな悩まなくても。あたしだって真田くんって呼んでるし」
「名前呼びの方が親近感が湧くとも言われてな…そ、そのだな、楠木が良ければだがな…」
「いや、そんな改まらないでよ!名前でもなんでも好きに呼んでくれて構わないよ!」
「う、うむ…楠木も好きに呼んでくれて構わんぞ!」
いや、既に名前で呼べてないし。そんなに無理しなくてもいいのに。
それに好きに呼んでくれて構わんと言われても、真田くんは真田くんって感じだしなぁ。なんか呼び捨てにする感じじゃないんだよね。
ん〜真田くんの名前って弦一郎だっけ?てか、普通に真田くんを名前呼びしてるのって柳くんだけじゃね?
あれ、そこでまさかのあたしが名前呼びって変じゃね?
「げ、げ、」
「む、鬼太郎か?」
「なにその突っ込み!違うよ!真田くんの呼び方を考えてたの!」
「ほぅ、あだ名か?」
「なんでちょっと嬉しそうなの!げ、弦一郎…くん?ごめん言いにくい。えぇ、げ、げ〜」
「課題をやる手が止まっているぞ!」
「ちょ、話し掛けて来たの真田くんじゃんか!」
とりあえず、真田くんをなんて呼ぶかを考えながら課題を進める。ていうか、なんだかんだで真田くんもあたしの事1回も名前で呼んでねぇんだよなぁ。
いや、まぁ…いいけどさ。
ん〜それにしてもなんて呼ぼうかなぁ。なんか今更、真田くんのままでいいじゃんとも言えないしなぁ。
弦一郎…ねぇ?やっぱり長いな。
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