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10時になり璃亜さんを起こすとやはり寒いのかなかなか布団から出たがらない。



「ん〜っ…朝御飯食べなきゃだよ〜」

「もう10時ですけどね」

「うぅ〜わかちゃんマジぬくい」

「それ喜んでいいんですか?」

「朝御飯より寝たいくらいにはヤバイ」

「答えになってないです」

「ふぁぁ〜…とりあえず、起きる。うわ、まだ雨降ってるし」



モゾモゾと起き上がる璃亜さんは、大きな欠伸をするとさむさむ〜なんて言いながらベッドを出て上着を羽織った。

そしてわかちゃんもおいで〜なんて手招きをしてる璃亜さんに素直に付いていく。

なんか璃亜さんの態度が普通過ぎなんだが、あれなのか?他の人達にも同じ様に甘えてるという事か?そう考えると腹が立つな。



「璃亜さん?」

「ん〜?てか、朝御飯軽いのでいい?」

「よく誰かと一緒に寝たりとかするんですか?」

「へ?あ、あぁ…どうだろ。学校だと柳生くんとかジャッカルくんにはよく肩借りたりするけど」

「いや、泊まりに来たりとかしないんですか?」

「ん〜テニス部は誰も泊まった事ないよ。中学ん時から仲良い友達なら前はよく泊まりに来てたけど」



正直、かなり意外だった。
立海の人達なら既に泊まったりしていると思っていたが、どうやら違ったらしい。

そして女の人ですか?と聞けば女の子は早苗だけかな〜と答えながら目玉焼きを作っている璃亜さんに頭を抱える。

あぁ、やっぱりこの人はバカだった。

つまり男友達を普通に泊めていたと。まぁ、俺を泊めるくらいだから中学からの友人となればこの人ならなんの躊躇もなく泊めるだろう。



「1人…ですか?」

「え、うーん。1人の時もあるし、2人の時もある感じかな。まぁ、2人来た時は大体騒ぐから雑魚寝してたけど」

「1人なら一緒に寝ると」

「うん。でもあたしが寝たらソファーに行っちゃうんだけどね〜。てか、急にどうしたの?」

「いや、璃亜さんのバカさ加減を確認してました。後、目玉焼きは半熟がいいです」

「どんな確認だ!半熟ならお皿出して〜あたし半熟苦手だからもう少し焼く」



そして軽い朝食を済ませると璃亜さんがなかなか雨止まないね〜なんて言いながら外を見つめている。

さっきから璃亜さんのスマホがソファーの上で振動しっぱなしなんだが、LINEの通知っぽいので教えなくても大丈夫だろう。

そしてゆっくりとソファーから立ち上がり璃亜さんの元に向かい、後ろから軽く抱き締めるとクルリと璃亜さんが振り返り俺を見上げる。



「ん?どうしたの?」

「雨もたまには悪くないなと」

「…?まぁ、あたしも雨は嫌いじゃないけどね」

「そうなんですか?」

「なんか雨の音って落ち着かない?ちなみに雷は嫌いだよ」



本当に雷は嫌いなのか顔を歪ませる璃亜さんに思わず笑う。苦手なものまで子供みたいだな。

ていうか、嫌がらないのか。

そして璃亜さんは、大人しく俺の腕の中で暫くピカーとかドカーンとか雷について意味のわからない愚痴を溢していた。


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