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でもうっすらと顔が赤いので恥ずかしさを紛らわす為に言ってる事がわかり、少しだけ笑ってしまう。

しかも近付いて来て、すぐに背を向けると思ったら思いっきりこっち向いてるし。

本当になんなんだこの人。



「わかちゃんわかちゃん」

「…なんです?寝ないんですか?」

「いや、寝るけど!あのさ、ちょっと背中を向けて」

「…?はぁ、別にいいですけど。これでいいですか?」

「おぉ、わかちゃんの背中!」

「ちょ、なんですかっ…」

「ん〜わかちゃんには、守って貰ってばっかりだったなぁって。だからありがとって…ちゃんと言ってなかったし」



璃亜さんに言われて背を向けるとピッタリと背中に璃亜さんがくっつくのがわかり、少し焦った。

でも璃亜さんからのまさかの言葉に、合宿の時の事が頭を過る。それにまるであの時の様にギュッと服を掴む璃亜さんに少し不安になる。

…大丈夫ですか?と声を掛けると璃亜さんがパッと手を離して大丈夫!お礼が言いたかっただけだから!と言いながら背中から離れたのがわかりゆっくりと振り返る。



「なんで今度は、璃亜さんが背を向けてるんですか」

「い、いや…なんか恥ずかしいし。ほ、ほら!お礼とかトラウマしかないし!」

「あぁ、あの食堂の」

「ちょ、やめて!思い出させないでっ…わっ」

「璃亜さんは、相変わらず小さいですね」

「…それはわかちゃんが大きいだけなんじゃない?え、てか…これで寝るの?」

「嫌なんですか?」

「ちょ、だからその聞き方はズルいってば!!」



何故か俺に背を向けていた璃亜さんを後ろから抱き締めれば、なんだかんだで嫌がらずに大人しくしている璃亜さんに思わず笑みが溢れる。

本当に危機感がない人だな。
まぁ、ベッドに俺を入れてる時点でそんなものはないのはわかりきっているが。

そしてこっち向くの嫌なんですか?と意地悪く言えば、渋々といった感じで璃亜さんが振り向く。



「…わかちゃんのせいで寝れなくなったらどうしてくれるんだ」

「寝れないんですか?」

「いや、余裕で寝れる」

「ならいいじゃないですか」

「なんかわかちゃんって、意地悪だし美形だけど安心する」

「…ちょっと前半が意味がわかりませんけどね」

「ん〜なんか最初からわかちゃんってあたしに素だったじゃん?思った事とか言ってくれるし、なんか…ん〜いてくれると安心するっていうか…そんな感じ?」



だからわかちゃんには感謝してるんだよ〜なんて眠たいのか欠伸混じりに話す璃亜さんにガラにもなく照れた。

そういえば、まだ俺が病気の事を知らない時も色々と話してくれたな。あの時は、立海の人達とまだ上手く付き合えてなかったからだと思っていたが…そんな風に思っててくれたのか。

本当にこの人は、急に爆弾を投下するのをやめてほしい。


そしてわかちゃんの心臓の音やべぇんだけど…なに?発作?とか言ってるこのバカは早く寝てしまえばいい。





(余りにも璃亜さんがバカ過ぎて)
(えぇ!?あたしのせいだったの!)
(うるさいです、寝て下さい)
(むぐっ…あ、わかちゃんの匂い)
(ちょ、離れて下さい!)
(なんなの!?わかちゃん情緒不安定なの!?)
(というか、これ璃亜さんのスウェットですし匂いなんてしませんよ!)
(いやいや、するよ。あたしの鼻をナメるなよ)
(…気持ち悪いです)
(ちょ、普通に傷付くから)
(…ちなみにどんな匂いなんですか?)
(えぇ?なんて言うんだろ。安心する匂い!)
(…さっぱり、わかりません)
(ふひひ、わかちゃんの匂い〜)
(ちょ、スリスリしないで下さい!!)

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