(3/4)
いやぁ…なかなか見付からない。結果から言うと、先程の雑貨屋さんではあたしのピアスのみ購入しました。
そして只今、三件目の雑貨屋さんなうです。いやぁ、さすがに疲れてきた。むしろ、わかちゃんの方が疲れてるよね。なんかごめんね!
「羽がモチーフって言ってもなかなかいいのがありませんね」
「がっくんにあげるとなるとねぇ…」
「カラスの羽でも拾ってきましょうか」
「ひでぇ!てか、普通にバッチぃよ!」
「冗談です」
「あ、わかちゃんわかちゃん!これは?がっくんには、シンプル過ぎるかもだけど」
「いいんじゃないですか?服装が派手ですし、このくらいシンプルな方が綺麗だと思いますけど」
「ならこれにする!悩み始めるとまたグダグダして決まらないし!よし、買ってくる!」
もうこれで決まり!ちょっと高いけど、そんな事はどうでもいいのだよ!(※自分用のピアスの方が高い)
ちょっとシンプルな感じのトップだけど、チェーンはこっちの荒い感じの少しゴツいのにすればなかなか良いのではないでしょうか!
そして軽く包装して貰い、がっくんの誕生日プレゼントは無事に手に入れたぜ!
て言うか、わかちゃんは時間大丈夫なのかな?そんな事を思いつつ、先に店を出ていたわかちゃんに駆け寄るとあたしの手を握った。
「冷えてきましたね。そろそろ送りますよ」
「いやいや!大丈夫だから!それに、あたしん家から駅まで結構あるから」
「終電に間に合えば問題ないですよ」
「終電で帰るとか危ないから!わかちゃん、美人だから変な人に攫われるって!」
「そのくらい余裕で撃退出来ますが」
「そういう問題じゃないのだよ!」
「むしろ、怪我をしてる璃亜さんを一人で帰す方が危ないと思うんですが」
「大丈夫!あたしは、余裕!」
ダメだ、このバカ…と言わんばかりの呆れ顔をするわかちゃんにブイサインを向けるが有無を言わずにあたしの手を引いて歩き出した。
いや、そっちあたしん家だよー!駅と真逆だよー!わかちゃーーん!!
しかし、あんまりうるさいと担ぎますよとか謎の脅しをされて大人しく送られる事にした。
そして暫くわかちゃんと話をしながら歩いていると突然、雨が降り出す。
「えぇー!?このタイミングで!?この辺、コンビニとかないよ!」
「バカな事言ってないで走りますよ」
「うわぁっ!」
「これ被っといて下さい」
「ちょ、わかちゃん風邪引く!」
「いいから、辛くなったら言って下さいよ」
「あ、ちょっ…!」
急に降り出した雨にわかちゃんがすぐに制服を脱いであたしの頭に被せると手を引いて走り出した。
prev|
next