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そしてギャーギャーと顔を真っ赤にさせながら赤也達と騒いでる璃亜を見つめていると、蓮二と真田がスッと隣に立った。
「うむ、楠木が早退した理由は精市だったのか」
「急に楠木が教室に来てな。何も理由は告げずに幸村のカバンを持って行ったので驚いたぞ」
「ふふ、俺もビックリしたんだけどね」
「ほぅ、なにがあったんだ?」
「…病院に行ってきたんだ」
俺の言葉に真田と蓮二の表情が一気に険しくなったのがわかった。それもそうだ、俺の病気が再発の可能性がある事をレギュラーは知ってるからね。
軽く自分の腕を擦りながらゆっくりと立ち上がり、相変わらず騒いでいる璃亜を見つめる。
ふふ、本当に不思議。
「最近、腕が痺れたり頭痛がしててさ。本当ならすぐに病院に行かなくきゃだったんだけど…」
「…うむ、再発の可能性を考えてしまって行くに行けなかったという事か」
「大丈夫だったのか!?」
「うん、結果だけ言うと再発はしてないって。恐らくストレスからくるものだろうって言われたよ」
「うむ…ストレスか。確かに、色々とあったからな。無意識の内に色々と考えていたのだろう」
蓮二の言葉に軽く笑みを返すとやれやれと言わんばかりの顔をされる。やっぱり蓮二には俺の考えてる事がわかるみたいで、お前は1人じゃないだろう。と肩に手を置かれた。
でも前みたいに俺に気を遣って黙ってるだけじゃなくなったみたいで、なんか嬉しいな。
それに俺も、信用してなかった訳じゃないけど前まではなんでもないで済ませただろうし。
心配とか迷惑を掛けるって事が仲間を頼る事だって身をもって教えてくれたのは、璃亜なんだけどね。
「ふっ、俺達は楠木や早苗と知り合ってから、色々と教えられたな」
「ふふ、本当にね。お前達にはまた苦労を掛けてばっかりだと思うけど、頼むよ」
「無論だ!何あれば言ってくれ!俺達は、仲間だろう」
「うむ、しかし精市は苦労を掛けられる側だろうがな」
「ふふふ、それについては否定出来ないや」
ギャーギャーと騒ぎながら遂には追いかけっこをしている璃亜達は、相変わらず楽しそうだ。でもそんな必死にシロツメクサの冠を大事そうに抱えてると、ちょっと期待しちゃうんだけど。
そしてずっと近くにいたけど黙っていた羽川が大事なくてよかったわ。なんて軽く笑うといい加減に部活の準備しなさい!と騒いでるメンバーの元へ向かった。
やっぱり羽川も病気とかには、敏感なんだろうなぁ。なんて思って羽川の背中を見てたら蓮二の視線がウザかった。勘違いしないでほしいんだけど…え、なにこの蓮二、面倒臭いんだけど。
(ところであの冠は、精市があげたのか?)
(ん?元は璃亜が俺にくれたヤツだよ)
(つまり楠木が作ったのか。相変わらず器用なヤツだな!)
(ふふ、そうだよ。精市に幸福が訪れる様にーってくれた)
(ほぅ、さすが楠木だな。中途半端な知識が仇となったな)
(本当だよ。ビックリしちゃったし)
(…?な、なんの話だ?)
(シロツメクサの花言葉だ)
(幸福や約束とかだった気がするが…)
(ふふ、真田もまだまだだね)
(それで精市から楠木に渡したということか)
(うん。これで俺のものにならなかったら全花言葉制覇出来るよ)
(やめろ、洒落にならんぞ)
(…???さっぱりわからん)
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