シロツメクサの花言葉 (1/4)
そして暫くして満足したのかあたしをゆっくりと離すと精市はご飯食べようかとか言い出した。
マイペースかよ!
しかし、お昼を食べてないのは事実なので2人でお弁当を食べました。もはや、3時のおやつだけどね。
それにしてもいつまで冠乗せたままなんだろう。気に入ったのかな。
「ねぇ、璃亜?」
「ん〜?」
「シロツメクサの花言葉って他にもあるの知ってる?」
「え、知らない。幸福とか幸運とかじゃないの?」
「ふふ、だと思った」
「え?なんで!?」
「ふふ、秘密」
そしてゆっくりと冠を取ると、じゃあこれは俺からねと言うと、あたしの頭に乗せた。
意味がわからず軽く頭を傾げていると精市が1冊の本を取り出してゆっくりと開く。そしてそこには、いつの間に本に挟んでいたのかあたしがあげた四つ葉のクローバーがあった。
おぉ、押し花にするつもりなのか。ちょっと嬉しいな。
*****
璃亜には、本当に助けられてばっかりだな。怖くて病院に行けなかったとか…本当に情けない。
でも璃亜がいてくれたからちゃんと行けた。もちろん、再発してなくて安心したのもあるけど…やっぱり璃亜と一緒にいるとなんか落ち着く。
そして押し花にするのー?なんて言いながら四つ葉のクローバーを眺めている璃亜の頭に乗っているシロツメクサの冠を見つめる。
"私のものになって"
シロツメクサの花言葉の1つだ。璃亜は知らないでこれを俺にくれたみたいだけど…ふふ、ちょっとビックリしちゃった。
だから璃亜に貰った冠は、俺から璃亜にあげた。意味を知らない璃亜は、不思議そうな顔をしてたけど…今はこれで我慢する。
そして四つ葉のクローバーを1つ手に取り、璃亜に渡す。
「え、なに?」
「約束。シロツメクサの花言葉の1つだよ」
「おぉ!!」
「2人の約束だから、1つは璃亜が持っててくれる?」
「うん!押し花にして持っとく!本とか持ってないけど!」
「ふふ、じゃあ俺が押し花にしておくから。後で渡すのでいい?」
「うん!ありがとう!」
やったぁ!と無邪気に笑う璃亜にこっちまで笑ってしまう。本当に俺のものになっちゃえばいいのに。
あーあ…璃亜がいないとダメになりそうな自分が本当に嫌になるなぁ。
いつもバカなのに…本当によく見てるって言うか…気付くよね。
俺達が全国大会を優勝しても誰もが当たり前だと喜んではくれなかった。それどころか中学に果たせなかった3連覇を目指せと…そう教師達には言われた。
また背負わなければならないのかと…
「…精市?大丈夫?」
「ふふ、大丈夫。璃亜がいるから」
「そう?」
でも今は、璃亜がこうして俺の側で大丈夫だから…1人じゃないと言ってくれる。それにあいつ等だっている。
…もう大丈夫だ。
だから、1人で背負うのはやめだ。
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