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そして精市が学校に戻りたいと言い出したので、早退したのにも関わらずまさかの学校に来ました。
ちなみに時刻は、2時過ぎな上に普通に授業中です。まぁ、早退した事になってるから教室に行く気はないんだけど。
そして精市に手を引かれて着いたのは、やっぱりテニスコートでベンチにはあたしがあげたシロツメクサの冠が置いてある。
それを精市が優しく手に取るとあたしの頭に乗せた。
「ふふ、璃亜のお陰で戻って来れた」
「いや、あたしなんもしてないよ」
「ついて来てくれてありがとう」
「いーえ。でも本当によかった…。て言うか、精市は色々と考え過ぎなんだよ〜もう少しポジティブにだね…後、溜め込むの禁止!」
「これでも前に比べたら溜め込んでるつもりは、ないんだけどね」
「つもり、いくない」
「ふふ、気を付けるよ」
ちょっと怒ってるあたしは、軽く精市を睨む様に見上げる。しかし精市は、そんなあたしの頬を軽く撫でると病気が再発した訳じゃないと安心したのかいつもの様に笑った。
あぁ、もう…マジでよかった。
心配掛けてごめんね?とすまなそうに笑う精市に許さねぇし!と言いながら頭に乗せられた冠を精市の頭に乗せ返す。
「でも…多分、あたしのせいでもあると思うから。これからは、無茶したりしない様にがんばるから…」
「璃亜が?無理じゃない?」
「ちょっと!あたし真剣なんだけど!?」
「ふふ、嘘だよ。でもね、璃亜は今のままでいて。もちろん、無茶なんてして欲しくないけどね」
「…わかってる。それでさ?あたし達、華麗にかっこよく全国大会で優勝したじゃん?」
「ふふ、そうだね」
「多分、優勝したのはもちろん嬉しかったと思うんだけどさ…やっぱりまた負けられないとか来年もまた優勝しなきゃとか精市は、色々考えてたんだと思うんだよね。それに加えて、この間の事件とか…あたしと赤也のテストの心配とかで凄い神経使ってたと思う訳よ。まぁ、後半はだいたいあたしが悪い気がするんだけど」
そして結果から言うと、なんかなにが言いたいのかわからなくなって来たあたしは、あたしも一緒に悩むからなんでも話してくれていいんだからね!とか意味のわからない事を言っていた。
もう少しマシな言い方はなかったんだろうか。それにそんな簡単に話せたらこんな事態にはなってないだろうに。
でもそんなあたしの意味のわからない言葉に精市は、一瞬目を見開くとクスクスと笑い出してわかったよと言ってあたしの頭を引き寄せるとおでことおでこをくっ付けた。
(…約束だかんね)
(ふふ、わかったって)
(言いたい事があったらちゃんと言ってよ)
(じゃあ1つ言っていい?)
(いいよ、なに?)
(抱き締めていい?)
(……っ!?え、なんで!?)
(ん〜、ダメ?)
(ダ、ダメって訳じゃないけど…なんで?)
(ん?璃亜を抱き締めたいから)
(直球過ぎる!恥ずかしいんだけど!)
(ふふ、はい時間切れ。おいで)
(えっ…あ、うぅ、今回だけからね)
(ふふ、大丈夫。次から聞かないから)
(ちょ、なんだそれ!?)
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