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はいっと2つの四つ葉のクローバーを精市の手に乗せるとあたしと四つ葉のクローバーを交互に見たかと思ったら、急に抱き締められて変な声が出た。
え、なになになに!?
てか、四つ葉のクローバー大丈夫!?握り潰してない!?
「…本当…璃亜ってなんなの…」
「え、シロツメクサ嫌いだった!?」
「…違うそうじゃない」
「え、じゃあどうした!?もしや、具合が悪いのか!?保健室まで運ぼうか!!」
「璃亜の力じゃ運べないだろ」
「確かに!なら、真田くん呼んでくるからちょい待っ…」
「ううん、行かなくいい。むしろ、行かないで」
あたしに抱き付いた精市の声が微かに震えてる様な気がして、さすがにふざけるのをやめて大人しくする。
やっぱり具合が悪いのかな?でもそうなると本当に真田くんを呼ばなきゃならないんだよね…あたしじゃ精市を運べないし。
とりあえず、大丈夫?とあたしの胸に顔埋めるようにして抱き付いてる精市の頭を軽く撫でるとふるふると精市が頭を横に振った。
つまり、大丈夫じゃないと?ヤバいじゃんか…いや、マジで真田くんを呼んで来なきゃだよ。
「…璃亜、俺っ…怖いんだ」
「え?」
「…最近、ヤケに手が痺れたりするんだ…最初は俺の気にし過ぎかなって…思ってたんだけど…」
「病院は?」
「…行ってない。璃亜には、病院に行けとか言ってたのに…情けないよね。でも…再発したって…言われると思うと怖くて…行けないんだ」
「…精市、ちょっと待ってて。ここから離れちゃダメだからね?」
「…璃亜?」
不安そうな顔をしてあたしを見上げている精市の肩をゆっくりと押して離れる。
今の精市は、いつもの威厳はまるで感じられなくて今にも消えちゃいそうなくらい儚かった。
そしてゆっくりと立ち上がり、大丈夫だからちょっと待っててねと軽く精市の頭を撫でてから、急いで教室に向かった。
まずは自分の教室に勢いよく入り、早退します!ウス!と島ちゃんに敬礼をして自分のカバンを引っ掴んで逃げる様に教室から出た。
そして次は、A組だ。
さすがにちょっと抵抗があったが、今はそれどころじゃないので自分の教室同様勢いよく入って行き、精市の早退を伝えつつカバンをゲットした。
なんか真田くんとか康ちゃんが…は?みたいな顔をしてたが無視だ無視!
とりあえず、ミッションコンプリート!!
急いで、カバンを持って中庭に戻ると精市がうつ向いたまま手のひらの四つ葉のクローバーを見つめていた。
※璃亜が去ったあとのB組
(おーい、羽川?楠木はどうした?)
(…私に聞かないで下さい)
(随分と元気に早退してったな)
(…元気が取り柄ですから)
(だろうな!ったく…明日、課題出してやるか)
(是非、お願いします)
(そこは助けねぇのかよ)
(助ける理由がありませんから)
(そりゃそうだ。おら、お前等も笑ってねぇで授業再開すんぞ)
(…楠木は、なにかあったのか?)
(わからないわよ…急に早退なんて)
(相変わらず、訳のわからん奴だな…)
(…後で問い詰めるからいいわ)
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